書評『#休日ゲーム開発部 土日で始めるゲームづくり for UE5』

東京国際工科専門職大学の森川遥仁です。大学ではゲームクリエイターを目指して勉強していて、最近Unreal Engineの学習を始めました。

今回、書籍『#休日ゲーム開発部 土日で始めるゲームづくり for UE5』で勉強しましたので、その書評を書かせて頂こうと思います。

本書は全部で4章構成になっています。実際のゲーム開発の流れを踏襲していて、章に沿って進めて行くことでゲーム開発のやり方についても体験できる、という流れになっています。

第1章では環境構築や操作方法についての説明があり、第2章ではブループリントを用いたギミック作成とステージ設計を行い、第3章ではビジュアルをリッチにし、第4章ではチャレンジ問題として少し高度な仕様追加に挑戦します。

各章について、以下で詳しく述べたいと思います。

第1章

Unreal Engineのインストール、エディタの基本的な操作方法について学びます。

ゲーム開発で耳にする単語について丁寧に補足説明がされており、挫折することがないように良く練られた構成になっています。

よく使うキーなどについても説明の単位ごとにまとめられており、後半の章を勉強している場面でも、復習として見返す際にとても役に立ちました。

第2章

ブループリントを用いたプログラミング、ステージのプロトタイプ作成について学びます。

ブループリントの作り方から画像付きで丁寧に誘導がされていて、つまずくことなく読み進めることができました。最初から完成形を目指してつくるのではなく、少しずつ要素を増やしていくという流れで行ったので、「ここまで頑張ろう」といった目標を立てて進めることができました。作業を中断して再度再開する時の方法についても、丁寧な説明が書いてありました。

ステージの作成では、配置を楽にするテクニックを知ることが出来ました。私はこのような、自分で自由に配置するといった作業に苦手意識を持っていたのですが、ステージの上面図や各種数値について、参考の値が記載されていたのでとても助かりました。

この段階で、既に遊べるものを作ることが出来ます。

第3章

外部アセットのインポート、マテリアルやモデルの差し替え、地形の作成、エフェクトや効果音の再生について学びます。

第2章までに作ったゲームをベースに、ゲームとしてよりリッチな見た目に仕上げます。

外部アセットの導入やアセット差し替えの過程で、アセット管理について体験することができます。また、「ランドスケープ」機能についても学ぶことができます。自分一人でも自由なビジュアルのゲームを制作できるようになるので、この章を読んでゲーム制作のモチベーションが大分上がりました。

エフェクトや効果音をブループリントから再生する方法についても学ぶことができるので、より凝った演出を作ることができるようになります。

第4章

この章には3つのチャレンジ課題があり、最後にゲームをパッケージとして出力する方法について学びます。

1つ目のチャレンジでは、UIの作成と表示について学びます。UIをブループリントで作成し、画面に表示させるところまで学ぶことができます。リトライ機能についても解説がされており、ゲームのフローを実装することができるようになります。

2つ目のチャレンジでは、ブループリント間の変数の受け渡し、Game Modeについて学びます。ゲームの状態を管理するGame Modeを使って、より複雑な処理を作ることができるようになります。少し高度なプログラミングのテクニックを用いており、このチャレンジは大変勉強になりました。

3つ目のチャレンジでは、シーケンサーを用いたカットシーンの作成について学びます。ゲーム中にムービーを挟むことができるようになり、演出の幅が大きく広がりそうだと感じました。思ったよりもかなり簡単に作ることができたので、今後も積極的に使っていきたいです。

これらのチャレンジを終えて、最後にゲームの出力方法について学びます。無事エラー無く出力することができ、制作した作品を公開できるようになりました。

Unreal Engineには以前から興味があったのですが、難しそうで少し敬遠していました。

一方で、今回勉強させて頂いたこの書籍では、初心者の方でもつまずくことがないように良く配慮がなされています。全4章を通してスラスラと読み進めることができ、Unreal Engineを用いたゲーム制作の流れについて学ぶことができました。

今後もUnreal Engineに触れる機会を増やしていって、色々なゲームを作ってみたいと思います。初心者のみならず、他のゲームエンジンを触っていた方にもお勧めの一冊です。

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

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