TGS 2024 スカラーシップ体験レポート①榎本侑太

苫小牧工業高等専門学校5年の榎本侑太です。

今回、IGDA JAPAN様のスカラーシップに採択していただき、東京ゲームショウ(TGS) 2024に作成したゲームの出展を全4日間させていただきました。

今回のイベントでは、本当に多くの経験や学びを得ることが出来ました。

出展作品

今回私が出展したゲームは、「Hide for Cat -all for the best-」というパズルアクションゲームです。地形を隠して形を変化させることで、ゴールを目指すゲームです。

現在、Steamで販売しています。

この作品は、去年個人で開発をして、今年Steamで販売しました。

四日間、毎日様々な人に遊んでいただいました。

「面白かったです」「どこで買えるんですか?」という声もいただき、大変うれしかったです。

しかし、TGSも初めてで、ゲームの展示イベントも初めてで、色々と反省すべき点も多くありました。

今回出展してみて特に感じたことは主に以下の通りです。

  • 呼び込み
  • 試遊向けのビルドについて
  • コントローラー対応
  • お客さん対応
  • 宣伝

呼び込み

TGSなどのイベントは、数多くのゲームが展示されていて、来ているお客さんは目的のゲームがあったり、何を見ようか探しながら歩いています。なので1ブースを見る時間はごくわずかです。その時間で、興味を持ってもらって試遊してもらう必要があります。そのためにも、チラシ配りをしたり呼び込みを行いましたがこれがなかなか難しかったです。チラシを渡しても受け取ってもらえないことも多く、受け取ってもらえても見向きもされず、すぐに行ってしまうことも多かったです。なのでまずは興味を持ってもらうことの大変さを感じました。

試遊向けのビルドについて

今回、試遊に向けて10~15分くらいで終わるようにステージを抽出して調整してもっていきました。しかし、初日の段階で「ステージの流れが唐突で一貫性がない」と指摘を受けました。

そして初日の段階で、やっていただいた方の多くの人が同じ箇所で止まっていて、そこでやめてしまう人もいました。生で遊んでもらうことで、気づけなかった不親切な部分が可視化されました。そして途中で終わった場合、毎回こちら側で最初の画面に戻る必要もあり、試遊には向かない形になっていたので、次の日までに修正できるところは修正してビルドの差し替えを行いました。

他にも、他のブースを観察したり試遊して思ったのが、「この試遊はどこで終わるか分からないと困る」という点です。試遊の目安の書いてある所は、分かりやすいのですが、書いてないとどこで終わるか分からず途中離脱してしまうと思い反省しました。

展示会向けの展示方法について、いろんなブースを見たり経験して色々気づけて良かったです。

コントローラー対応

私のゲームは、基本的にキーボードとマウス操作です。PC販売だから問題ないだろうと思いましたが、キーボードマウスの操作に慣れてない人も多く、コントローラー対応は必須だと感じました。幸い、一部操作はコントローラー対応を行っていたので、小さな子が試遊してくれた時はコントローラーを使用しました。

お客さんへの対応

今回、試遊していただきそれを観察して問題点を考えることに意識が行き過ぎて、終わった後に感想を聞いたりすることを忘れていました。感想を聞くことで、見えてくるものもあるのにそのチャンスを逃したことを反省しています。

宣伝

今の時代、ゲームは大量にあって販売されてます。そんな中で見てもらうためには宣伝が必須です。見てもらうためにも、分かりやすいキャッチコピーやタイトル、ビジュアルも大切だと感じました。試遊後に、Steamへの誘導などもすべきでした。他にも、展示前にSNSで宣伝したりと色んな露出方法をもっと試すべきだったと思いました。

このように、今回多くの発見があり勉強になりました。

スカラーシップ生との交流

そして、今回は他のスカラーシップ生との交流もとても貴重な機会になりました。今まで、一人で開発してきたので同世代で同じくゲーム制作を行っている人と色んな話をすることが出来ていい刺激になりました。専門学校や大学での話も聞けて、違いを知ることができて良かったです。

他ブースの見学と体験

そして、出展時間以外ではTGSの色んなブースを見て回りました。その中でも、特にインディーゲームコーナーを中心に見て回って、色々な刺激を受けることが出来ました。

沢山面白そうなゲームはありましたが、その中でも「HoooPizza」というゲームに感銘を受けました。

このゲームは、フラフープ状のコントローラーを回したり、振ったり、転がすことでピザを作るゲームです。試遊では、子供も大人も楽しそうにプレイしていました。フラフープというコントローラーとピザを作る過程の動きがマッチしていて、普段ゲームをするのに使うコントローラーでは味わえない体験になっていて、とても感動しました。

今回のTGSを経験して、心の中に曖昧に存在していたゲーム業界への憧れが、確かな目標へと変わりました。出展で得た経験を、今後のゲーム開発に生かしていきたいと思います。