CEDEC 2024 スカラーシップ体験レポート⑥モク・スンファン

IGDAのCEDECスカラーシップに参加したモク・スンファンと申します。韓国のkonkuk univ.でコンピューターエンジニアリングとカルチャーコンテンツ学部を複数専攻しており、PC用のゲームの一人開発をやっています。ゲームデザイナーとして日本内の会社に入りたいため、どんどん勉強と開発に頑張っている毎日です。この度はCEDEC2024に参加して印象的だったこと、学んだことや参加して良かったと思うことを伝えたいと思います。

現業の悩みを知る

CEDECでは現業の開発者たちに役に立つ講演を聞くことができます。その内容とは今までやってたことや最新の技術を利用した新しいプロセスなどそれぞれ異なる主題を持っていますが、どれも現業での悩みを解決するため行った事でした。学生であり、まだ経験が少ない僕にとっては講演で伝えたい解決法が役に立つのは当然なことで、その前に”どのような悩みを持っているか”を知ることだけで大きい学びになりました。

例えば、CC2さんのセッション「4年間で6本配信!長期的にタイトルを盛り上げるDLC開発の全貌」ではDLCと言ったサービスモデルではライブサービスやディバッグと同時に行われる特殊性のため持つ難点とソリューション、そしてそこから感じられるPMの重要性を知ることができました。その内容とは僕のような学生チームでも起こりやすいコミットミスのようなことも含まれ、今後のプロジェクトで問題が起こる前に対策を立つことができるでしょう。

その中にはちょっと変わったセッション「ゲームUIラウンドテーブル」もありました。幅広い分野で働いているUIデザイナーやプランナー及びUIに関係ないゲーム関係者が集まって現在の悩みや状況などを共有する会話型のセッションで、使用しているツールやプロセスに困ったことなど現場の生の声を聴くことができました。

新しい時代の新しいやり方

CEDECはゲーム開発において最先端を走る人たちが集まる場所です。AIなどの技術が一般的になった今、これまでとは違う新しいプロセスを知ることができました。

バンダイナムコさんのセッション「『鉄拳8』圧倒的物量をどう実現したか~自宅キャプチャーと自動フェイシャル作成ソフト使用のススメ~」では商用機材とMvN、MOCAPX、SpeechGraphicsなどのソフトウェアを利用して、自宅で一人でもできるモーションキャプチャーの使用とその利点に対して学ぶことができました。一人開発者である僕に大変助けになる貴重なセッションでした。

そして数多いセッションではAI生成技術の現在と未来、応用方法と問題点などを紹介されました。プログラミングの助けやイメージ生成、バランス調節など幅広い部門で影響が満ちているのを見ることげでき、新しい時代の方法を学びました。

出会い

CEDECは多くのゲーム関係者に出会える数少ない機会であり(日本に知り合いが少ない僕にとっては特に)、貴重な縁を作ることができました。

スカラーの皆さんとは思ったより長い時間を一緒にして、様々な話を聞いたり言ったりしました。3日だけの出会いとは思えぬぐらいいい縁ができました。スカラーシップ以外にもデベロッパーズナイトや各種交流会など様々な人たちと出会えることができました。日本の業界事情などに知識が全くない僕だったんですが、いろんな話を聞き、いろんな人と知り合うことができました。

皆さん、名刺はたっぷり用意しましょう。

愛のあるゲーム作り

三日間の日程の中で一番良かったのは、バンダイナムコさんのセッション「♪ NANAーNANANANANAーNAーNAーNA、塊魂サウンド 20年間輝き続けるためのアイデア」でした。僕は昔から塊魂シリーズのファンであり、誰かが僕にとって好きなゲームが何か聞かれると最初に塊魂を答え、それが理想的なゲームである理由を何分も言い続けるしつこいやつでして、CEDEC開催前から一番楽しみにしてたセッションでした。

音楽をテーマにしたつもりのセッションはいつからか塊魂に対して話し続けるトークショーに変わり、講演の後のASK THE SPEAKERはほぼファンミーティングになってしまいましたが、それはプレイする人だけでなく作る人も確かな塊魂のファンであるためできたものでしょう。講演者の矢野さんや三宅さんだけでなくプログラマーや声優、歌手、デザイナー、外国のパブリッシャーなどゲームに関わったすべての人が塊魂に愛情をもって作ってからこそ今でも愛されるゲームができてるのでしょう。僕もいつかそういうゲームを作ることができたら幸いだと思いました。そのために必要なものは多分自然を愛する力、バランスの取れた食生活、十分な睡眠時間、そして何よりも、「日に焼けた肌」。