大阪電気通信大学デジタルゲーム学科4年の大石昇弥です。
今回、IGDA日本様のスカラーシップにて、東京ゲームショウ2023に出展させていただきました。
今年のTGSは4日間の総来場者数は約24万人という大盛況で、一般デーでは海浜幕張駅から会場の幕張メッセまで、長蛇の列が並び、会場内では周囲が見えなくなり、移動もままならないくらいの規模となっていました。
今回のTGS2023の4日間では、大手のゲーム会社をはじめ、インディーコーナーにも多くのブースが立ち並び、多くの体験をすることができました。
この体験レポートでは、自身の4日間の展示を振り返り、そこで学んだこと、印象に残った展示をお伝えしていきます。
はじめに、私の開発しているゲームは「1回の戦闘がその先の冒険を左右する」をテーマに作成したアクションRPGです。
敵を倒すとレベルが下がるという従来のRPGとは全く違ったルールと、吸収システムによるモンスターの能力を集め、街を発展させていくという収集要素の組み合わさったゲームです。
このゲームは、Steamなどでの販売を予定しており、他の展示イベントにも出展したいと考えており、チュートリアル内での説明と、街の中にモンスターを配置する場所を設けるなどして、最小限のシーン移動で完結できるように構成していました。
そのおかげか、TGS展示では、自分の説明はゲームのシステムについての軽い説明で済みました。
展示の総合的な結果としては、満足度の高い展示ではあったと感じています。
1プレイで5分と、遊ぶのに制限時間を設け、単純計算では40分の展示時間で準備撤収含め約7人の人には遊んでもらえる計算でした。
初日は展示の当番はなく、会場内を回ることに集中し、定期的に自分のブースも見に行っていました。
ビジネスデイであり、人が少ない中で2〜3回ほど遊んでもらっているのを確認しました。
その時の反省点は、準備しているノベルティーや置物の設置を忘れていた点、事前にでていたバグ修正にコントローラーを1つ使用していたせいで、やや満足は行っていなかったです。
2日目も初日同様にビジネスデイで、展示時間もビジネスデイの間だったので、人が増える前の時間帯に展示していました。
この日も2〜3人の方に来てもらったのですが、その中に大学院でゲームの研究を行っている方に遊んでいただきました、その時は、たくさんのフィードバックとともに、ゲーム開発について、たくさん話をする機会をいただき、ゲーム開発について新たな知識を入れるいい機会となりました。
また、印象を持たせて覚えていただく為に、自分のゲームにでてくる敵キャラとゲームロゴのステッカーを作って、遊んでもらった人に配ったり、いろんな企業やインディー開発者の方に名刺交換ついでに紹介をしてきました。
3、4日目は、一般展示日というだけあって、登板中は想定していた7人に達する勢いで遊んでいただきました。中には配っていたステッカーや名刺を見て遊びに来たと言ってくださる方がいました。
その時にゲームシステムの説明をすると、「変わっていて面白いね!」と好評な印象を持っていただけました。
他にも、小学生の子供が来て、「このキャラクター可愛い!」といい反応を見せて、楽しそうに遊んでいるのを見て、ゲーム制作、展示に応募をしてよかったなと感じております。
今回のTGS展示で重要だなと感じたのは、短い時間でいかに面白さを表現するか、体験を与えられるかにあると感じます。
私のゲームに関しては、ゲームシステム一つ一つは単純ですが、オリジナルの部分に関してはゲーム全体に関わり、単純なシステムを越えた先にあるので基本的に規模が大きく、言葉で説明しないといけなく、結局口頭で説明しているので、展示において重要なのは短い時間での表現力なのかなと感じました。
今回のTGS展示において短い時間での面白さの表現、体験を与えられているなと感じた作品を紹介させていただきます。
Turtle Creamの「RP7」です。
RP7とはスロットマネジングローグライクゲームです。プレイヤーは主人公を操作するのではなく、7つのスロットで出来ている主人公の移動経路を適切にセッティングして主人公をコントロールすることが出来ます。
コントローラーは7つのレバーのみで構成されており、レバーを倒すことでスロットを動かすことができ、展示の場でパッと見たとき、3秒で「これを動かすんだ!」と内容を理解しました。
これは面白さと新体験を両立し、わかりやすさもある素晴らしいゲームデザインであると言えるでしょう。
今回、TGSに参加したおかげで、これからもゲームを作ろうというモチベーションにもつながりましたし、新たな企画の案もでてきました。また、私の展示の体験としては、ある程度成功の範囲にあると言えるでしょう。そして、多くの学びとともに、人を楽しませる実体験という貴重な体験となりました。
最後に、TGSスカラーシップにあたり、サポートをしてくださった小野様と高橋様、共に展示の場に立ったスカラーシップメンバーの皆様、そして私のゲームを体験し、楽しみ、意見を交わして下さった方々に心より感謝を申し上げます。
この経験は忘れられないものであり、これからの人生に必ず役に立つと思います。
これを読んでいるCEDEC&TGSに参加するか迷っている、スカラーシップに興味のある学生の方は、迷うことなく挑戦をしていただけたらなと思います。