はじめに
東京工芸大学2年の高柳直温です。今回私はIGDA日本様が主催する東京ゲームショウ2023スカラーシップに参加させていただき、目の前で多くの人に自分の作ったゲームをプレイしてもらう大切さを知る事ができました。そう考えた理由を実際の体験を交えお伝えできればと思います。
「パリィシューター」について
私が今回出展させていただいたゲームは縦スクロールのシューティングゲームに“パリィ”の要素を追加した「パリィシューター」というゲームです。このゲームでパリィとは敵の弾を弾き返し、反撃する行為を指します。パリィという用語自体、一般的な単語では無い上に、縦スクロールのシューティングゲームも現在ではニッチなジャンルとなっています。そのため元々ターゲット層はかなり絞られる事は想像に難くないです。しかしそれはあくまで机上の仮説であり、私は実証できる場を求めていました。そこで本イベントの存在を知り応募した次第です。
ビジネスデイと一般デイの比較
TGSは四日間開催され、最初の二日間はビジネスデイと呼ばれます。ビジネスデイはゲーム業界関係者のみが入場できる日の事で、業界交流の意味も込めて開催されるのです。一方でその後の二日間は一般デイと呼ばれ、2300円のチケットを購入すれば誰でも入場できます。ビジネスデイと一般デイでは客層が大きく異なるため、この二つを比較していこうと思います。
ビジネスデイ
ビジネスデイでは専門学校講師や大学教授、現役の業界人やライターの方、インディー出展者などのお客様が殆どでした。お褒めの言葉と建設的な評価、指摘してくださり、大変素晴らしい経験となりました。特に私と同じ「パリィ」をテーマにゲームを制作していた方とお話した事はとても楽しかったです。同じテーマでも作る人が違うとかなり違うゲームになる事に関心しました。
一般デイ
一方で一般デイはゲーマーこそ多いものの作り手ではなく遊び手としてのお客様が大半を占めます。傾向として私のゲームのプレイヤーは男性が多く、その多くはシステムに惹かれたとのことでした。また反対に女性プレイヤーにプレイしていただいた際はキャラクターが可愛いなどの感想をいただきました。これはあくまで分析であり、男女差別の意図はないことを記載しておきます。
またプレイヤーが想定した操作や遊び方をしてくれるか不安でしたが、差異こそあれ概ね想定通りのプレイをしてくれました。パリィの受付時間を短く設定したため、操作中偶然にパリィが発動する場面が多かったことが原因と考えられます。しかし、赤い弾がパリィできないことは明確に明記すべきでした。プレイヤーはパリィを期待しているため、それができないなど想定外だったのです。最初のステージは赤い弾の登場頻度を下げるべきだったでしょう。本作はシステムに魅力を感じ、プレイしていただいたプレイヤーが多かったと前述しましたが、そのシステムを楽しんでもらえなければ本末転倒です。今後は更にテストプレイの機会を増やし、試行錯誤を続けていきたいです。
ポスターの効果
「TGS2023スカラーシップ」では10作品を一つのブースで展示します。お客様はその中から好きな作品を選んでプレイできます。プレイする判断材料が一枚のスクリーンショットとポスターしかなかったため、それらの存在は大きいです。私のゲームは一人で製作していたため、グラフィックなどのクオリティは他作品に比べて遥かに劣っていました。しかし、他作品に劣らず多くのお客様に遊んでいただいたという印象があります。その一因としてわかりやすいタイトルとポスターのデザインがあったと思います。「パリィシューター」というタイトルはパリィという単語の意味さえ理解していれば瞬時にゲーム内容を大まかに把握できるようです。なぜなら、自ら進んで「パリィシューター」のプレイをしていただいたユーザーはチュートリアルを読むことなくスムーズなプレイをしていた方が多かったからです。そして青を主体とした背景にオレンジのキャラクターが目立つように配置されたポスターデザインは他のポスターと並んでも目立っていました。
まとめ
最後になりましたが、小野様、高橋様、IGDAの皆様方、たくさんのサポートやアドバイスに感謝しかありません。お世話になりました。そして、スカラーシップメンバーの方、私のゲームをプレイしてくれた方、誠にありがとうございました。
「パリィシューター」ストアページ
iOS https://apps.apple.com/us/app/id6446252057
android https://play.google.com/store/apps/details?id=com.MettoComp.ParryShooter