『アサシン クリード』で知られるUBIソフトや、モバイルゲームで有名なゲームロフトなど、過去十数年間で急速に力をつけてきたフランスのゲーム業界。東京ゲームショウ2022にあわせ、そうしたフランスのゲーム関連企業の中から9社が来日します。
代表団は東京ゲームショウ・ビジネスミーティングエリアのFrench Pavilionで商談などを行うほか、日本企業への団体訪問や個別ミーティングを通しての経済交流、フランス大使公邸でのネットワーキングレセプションなどに出席する予定です。
来日団の企業リストには、『デトロイト ビカム ヒューマン』で知られるQUANTIC DREAMから、ユニークなゲームを輩出している独立系(インディ)ゲームスタジオ、さらにはツールやライセンス管理系企業など、さまざまな企業の名前が並んでいます。
他に全国フランスビデオゲーム連盟(SNJV)、およびフランスe-sports連盟(France e-sport)からも担当者が来日します。
French Creative Lab 来日ミッション 参加企業
- BREAK FIRST(独立系ゲームスタジオ)
- DODORASSIK GAMES(独立系ゲームスタジオ)
- MI-CLOS STUDIO(独立系ゲームスタジオ)
- STUDIO CAMELIA(独立系ゲームスタジオ)
- KINETIX(スキルを問わないメタバース 3D 作成ツール)
- QUANTIC DREAM(ゲームソフトの開発・販売)
- VROMBR (POLYPTIK)(ゲームソフトの開発・E-Sports)
- PICTIA(写真の著作権保護、ライセンス、NFT)
- MUSIC STORY(音楽メタデータ・サービスプロバイダー)
フランスゲーム産業の躍進
フランスは建築、出版、映画、音楽、オーディオ・ビジュアル、報道、ラジオ、ゲーム、ビジュアルアート、ライブパフォーマンスといった文化・クリエイティブ産業に強く、64 万人が働き、年間 910億ユーロを売り上げています。
中でも2021 年のフランスのゲーム産業の売上高は56億ユーロを記録し、史上最高の年となりました。この右肩上がりの数字はゲームの大衆化(プレイヤー数3829万人、そのうち3351万人は18歳以上、73%のフランス人がゲームを嗜む)を反映しています。 2022年の世界の市場規模が2000億ドルを超えるといわれるゲーム産業が、あと数年もすれば世界やフランスの文化産業をけん引することでしょう。
魅力的なエコシステムで世界からも注目
フランスでは、特にゲーム制作部門が成長を続けています。2021年に700のスタジオを含む1300以上の経済プレーヤーがフランス各地(主にイル・ド・フランス、オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ、オクシタニー、ヌーヴェル・アキテーヌ、オー・ド・フランスといった地方)に設立されました。フランスには多くのタレントを引き付け、制作チームの発展に望ましい条件を創出することのできる多くの切り札があるのです。
大手の中ではVoodooが世界で最もダウンロードされたモバイルゲームパブリッシャーとなり(60 億ダウンロード)、5 年間で700%の収益成長を遂げました。ほかにも SORARE(5億8000万ユーロ)、Plug In Digital (7000万ユーロ)、Dontnod(4000 万ユーロ)など、いくつかのスタジオはここ数年で多額の資金を調達をしています。
また、この部門の 2021 年の雇用者総数は約 25,000人でした。
フランスでも重要視される戦略的産業部門
ゲーム産業は戦略的産業部門としてフランスでも重要視され、フランス公的投資銀行や IFCIC(映画文化産業銀行)によるゲーム制作・出版に対する多岐にわたる多大な公的支援や、企業設立から投資までの支援体制が敷かれています。またフランス投資計画2030の一部はデジタル・プロダクションに向けられており、フランスをデジタル産業部門におけるヨーロッパのリーダーに押し上げるという政府の野心を示しています。ゲーム産業のエコシステムはこうしたフランスの多大な公的支援を享受しており、その結果、平均制作規模は倍増し、フランスをヨーロッパおよび世界の競争力ある主要プレーヤーに位置付けています。