CEDEC2021スカラーシップ体験レポート⑦ 松井優樹

東京国際工科専門職大学工科学部デジタルエンタテインメント学科ゲームプロデュースコース2年の松井優樹です。私が今回スカラーシップとしてCEDEC2021に参加し、学んだことを書いていきます。

私が聴講したもので4つのセッションについて感想を書いていきます。

①,②「ゲーム実況におけるエコシステム及び法的な権利関係についての一考察」&「この1時間でゲーム実況業界の全てがわかる!?ゲーム実況の過去・現在・未来【2021年版】~「ゲームコミュニティ」を形成せよ!」

CEDECのセッションの中でゲーム実況の話をメインとした2つセッションは、どちらもゲーム実況の歴史と実例に触れますが、それらのデータの活用方法が違います。エコシステム及び法的な権利関係のセッションでは、時代とともにゲーム実況という活動が世に広まり、利益を生み出すようになった背景を振り返りました。そして、振り返った内容を元に現代のゲーム実況におけるエコシステムを学ぶことが出来ました。エコシステムとは、「ゲーム実況者」「ゲーム企業」「動画投稿プラットフォーマー」「広告」「視聴者」などの複数の存在が、ゲーム実況という活動でどのようなお金を生み出し、支払われているのかを示す言葉です。ビジネスの生態系とも言えます。1時間でゲーム実況業界の全てがわかるセッションでは、初めは趣味の延長線の一つであったゲーム実況が技術と共に組織的な活動になっていく歴史に加えて、ゲーム企業側のゲーム実況に対する認識と対応の変移を学ぶことができました。それらの情報から一人の視聴者として考えた、ゲーム企業側にとっての、プレイヤーが行うゲーム実況のメリットを説明し、そして現代におけるゲーム実況の売れ方とトレンドを知ることができました。

③「これまでのあらすじ〜世界初の運用型モバイルARシューティングバトルを作るまでの試行錯誤〜」

Graffity株式会社が制作しているARシューティングバトル「Leap Trigger」の企画についてのセッション。それに関連して製作過程で困ったことなどを話してくれました。私はARについての講義を大学で受講しているので、ARゲーム制作の現場で発生した問題を知ることができて良かったです。特にAR技術を活かしたゲームを作る際にVRとどのように差別化するかについて言及されていたのが良かったです。

④「新興アジア諸国のゲーム産業・市場の現在:東南アジア、南アジア、中東」

かなり難しい内容のセッションでした。欧米や中国のゲーム市場は講義などで調べている、またネットサーフィンで知る機会が多いのですが、東南アジアのゲーム市場についてはフィリピンぐらいしか知らないので、出てくるゲームのほとんどが初耳のゲームでした。また東南アジアの人たちは、ゲームに対する認識がカジノのゲームと一緒くたになっているという意見も東南アジアの文化に触れなければ得ることが出来ない意見だと感じました。結果としてこのセッションで理解できることは少なかったですが、東南アジアで売れたゲーム名、企業名など、東南アジアの動向を調べるための「単語」を得ることができたので、これから少しずつ理解していきたいと思いました。

最後にCEDECスカラーシップについて触れていきます。

私が応募した動機として、ゲームプランナーもしくはゲームデザイナーを志す者として、ゲーム業界の今を知ることが大切だと思い応募しました。

CEDECスカラーシップに参加して思うのは、スカラーシップを通してゲームに携わる方々もしくはこれからゲームに携わっていこうとする学生と出会えたのが良かったです。大学生がどのようなアプローチでゲーム企業に入ることを考えているのか。どの様な学習をしているのか。私がこれから歩んでゆこうとしているゲーム制作者への道に良い刺激が加わったと思います。