NPO法人IGDA日本SIG-4NGは令和3年7月11日(日)、情報通信交流館 e-とぴあ・かがわ(香川県高松市)で「デジタルからくり装置作りワークショップ in 高松」を開催しました。2016年7月に福島県郡山市で第一回を開催して以来、第15回目となる本ワークショップでは、小学生から成人まで19人が参加。高松市を舞台にしたステージ上でドミノ倒しを共同制作したり、クレヨンで描いたキャラクターをキャプチャして登場させたりして、ステージ制作を楽しみました。
国のプログラミング教育開始に伴い、全国でプログラミングやロボット製作などを教えるワークショップが急増しています。しかし、こうした取り組みでは、個人制作でなにかモノを作るスタイルになりがちです。一方で社会に出ると、チームで一緒になって一つのモノをオンライン上で創るというスタイルが主流になります。そこでは自分一人だけが好きなモノを作るのではなく、周囲の人々との協業が欠かせません。
本ワークショップではこの点に着目し、省スペースに分けられたステージ上で最大10名の参加者がドミノ倒しを創り、オンライン上で結合して一つの大きなステージを制作。最初から最後までボール転がしを連結するというスタイルを選択しました。自分のステージではうまく動いても、マージさせると動かなくなることもあり、気が抜けません。データの結合はUnity Collaborateを使用し、ワンクリックでできるように配慮しています。
会場を提供いただいた情報通信交流館 e-とぴあ・かがわは、高松市駅前の商業施設の一角にあり、普段からさまざまなワークショップが行われています。小学生を対象としたScratch教室から、地域コミュニティによるUnityワークショップまで、その活動はさまざま。今回のワークショップも地元のゲーム開発者コミュニティ「讃岐GameN」の活動にも協力している地域のゲーム開発者二名に協力いただきました。また、いつものように公益財団法人中山隼雄科学技術文化財団による助成と、株式会社ProjectWhite(TSUKUMO)より機材協力をいただきました。改めて御礼申し上げます。
ワークショップはいつものように、マウスを操作してステージ上にオブジェクトを配置するやり方を学ぶところからスタートしました。毎回感じることですが、子供たちのマウス操作の習熟スピードの早さには驚かされます。特に今回の参加者は、ほぼ全員が学校などでScratchの学習をすませており、3D上でのオブジェクト配置にも、すぐになじんでいました。2016年に本ワークショップが始まった時は、ほとんどの子供たちがプログラミングの未経験者だったことを考えると、この数年で一気に浸透したことになり、あらためて驚かされます。
また、今回は成人の方にも二名ご参加いただきました。教育関係者とWebデザイナーの方で、お二人とも子供たちに混じって真剣に楽しまれていました。ありがとうございます!
クレヨンで描いたキャラクターをWebカメラでキャプチャし、クラウド上でデータを転送してブラウザ上で動かす「お絵かきワークショップ」も実施。作成したデータはUnityのprefabに転用することもできます。子どもから大人まで楽しめるワークショップとして、これまで多くの人に参加いただいてきました。こちらのサイトから無料で楽しんでいただけます。専用シートもダウンロードできますので、ぜひ機会をみてご体験ください。また、本ワークショップの資料やプロジェクトファイルもGitHub上で公開されていますので、ご活用いただければ幸いです。
というわけで大盛況におわった本ワークショップ。次回以降の開催予定は未定ですが、機会がありましたら、お目にかかりましょう~!