CEDEC2020スカラーシップ体験レポート① 浅野 悠人

私が最初にCEDECを知ったのは、高校1年の秋の事だった。CEDECの各種セッションやイベントに興味が湧き、高校2年の夏にインタラクティブセッションや、CEDEC AWARDSといった一部のセッションのみを見学できる「エキスポパス」を購入し、CEDECの面白さを体感した。CEDECのパスは学生にとってはとても高額で、1日限定で1000円のパスを買う事が、最大限であった。

大学生になってからも、金銭感覚はあまり変わることもなく、エキスポパスで参加しようと思っていた。ところが、新型コロナウィルスの影響でCEDECは全面オンラインとなり「エキスポパス」は廃止され、高額なパスに全て吸収されてしまった。

そこで、参加を断念しようと思っていたところ、高校時代に「CEDECには大学生・専門学校生向けのスカラシップがある」と言われていたのを思い出し、申し込むことにした。結果として、高額なパスをIGDA、CESAの方々のご尽力により頂く事ができ、CEDECに2年ぶりに参加する事ができた。

私は、現在グループで位置情報ゲーム開発に取り組んでいる。そこで、今回のセッションで最も注目していたのは「ドラゴンクエストウォーク」と「Google Maps Platform Gaming Solution」のセッションである。この2セッションは、同じ時間に開講されていたため、1つをタイムシフトで視聴した。後者はチュートリアルなどの基礎的な説明で、前者がそれを応用したものになっていた。これらによって、基礎的な内容は理解できたものの、Unity及びCGに関する中級者程度の知識が私に抜け落ちていることを発見できた。CEDILに資料がアップされ次第、分からない単語は徹底的に調べ上げ、自分の知識にしようと思う。(現在はタイムシフトを一時停止して検索している)

上記はグループでの活動なのだが、私個人としてはXR系にも興味がある。Monobitさんの講演では、Unity製のVR空間を気軽に共有できるようなミドルウェアを提供予定であることを知る事ができ、現状のサービスではできなかった事が実現できるようになるかもしれないと思い、胸が膨らむ思いがした。グループで活用できることを中心にオンタイムでは視聴をしていたため、この後、タイムシフトでXR系のセッションは受講する予定である。

また、2年ぶりにペラコンに参加することもでき、(今年からパスを持っていなくても参加できるようになったのは意外だった)、審査員の方々から手厳しい評価を頂けた。是非来年も、チャレンジしていきたいと思う。

セッションの昼休みや、CEDEC終了後にアドバイスに乗ってくださるクリエイターの方がいらっしゃったことも、とても魅力的だった。第一線で活躍なさっている方々にアドバイスを頂けることは、自分の視野の狭さを痛感し、より現実的な将来設計を行うことに役立った。

最後になりますが、主催者であるCESA、PERACONの実施母体である人材育成部会、スカラシップを提供してくださったIGDA Japan、休み時間にも関わらず相談に乗ってくださったクリエイターの方々、特にスカラシップ生を取りまとめてくれた小野さん、長久さん、鈴木さん、本当にありがとうございました。高校1年の時から、ずっとお世話になりっぱなしではありますが、いつか業界に還元できるように、これからも開発を続けていきたいと思っています。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。

慶應義塾大学 環境情報学部 1年 浅野悠人