CEDECスカラーシップ2019に参加させていただきました、国際電子ビジネス専門学校 ITエンジニア科ゲームプログラミングコース3年制課程3年の兼次達己と申します。今回のスカラーシップで得られた知識と経験は、私にとってかけがえのないものとなりました。
本レポートでは、私が体験した内容について書き記していきたいと思います。
1日目 スタジオツアー
1日目はスタジオ見学や現場で働いていらっしゃる方々とお話をするスタジオツアーでした。
今回はジープラ様、サイバード様、ディライトワークス様の3社に見学させていただきました。
3社を巡り、それぞれは短くとも貴重な現場のお話を聞くことが出来ました。その中で皆様共通してお話していたのは、「知識のアンテナを広げる事」でした。ゲーム業界は途轍もない勢いで進化しており、そのような世界で振り落とされず進み続けるためには、まずアンテナを広げてより多くの知識を拾い、可能であれば経験することが大切であると、お話しされていました。環境や年齢も性格も、ゲームというエンタテインメントを作っていること以外異なる方々が、共通して同じことをお話しするという事に気づき、それほどまでに必要で、私達学生でも身に付けられる基礎的な部分であると改めて理解することが出来ました。これからはもっと広く興味を持つようにしようと決意した1日目でした。
2日目 CEDEC1日目
3日目 CEDEC2日目
この日からは一度集合し、パスをいただいてからはほぼ自由行動でした。
セッションはVR関連のものを優先し、次にプログラム以外のセッションを聞くようにしていました。私自身はプログラマー志望でありますが、前日の影響を受け、多くの知識を知るためのきっかけを増やそうと、このようなセッションの回り方をしました。
この日聴講したセッションで一番印象に残ったのは、「エースコンバット7 VRが実現したエースパイロット体験の秘密」です。VRはプレイヤーに没入感を与えやすく、体験の密度は段違いに濃いものになりやすいです。ですが興奮から醒めた時の世界からの疎外感も、強くプレイヤーに感じさせてしまいます。このセッションでは、疎外感を与えてしまう要因をどう排除し、プレイヤーの興奮をどうコントロールするのか、というお話を聞くことが出来ました。後日実際にプレイしてみて、没入感が凄く、実際に効果があった事が体験できました。今後VRゲームを作る際、参考にしたいセッションでした。
CEDEC2日目は「『ASTRO BOT:RESCUE MISSION』の心地よいキャラクター操作とVRインタラクション」が強く記憶に残っています。こちらはVR酔いに関するお話が多く、かなり勉強になるセッションでした。分かりやすいセッションで、VR酔いを起こす動きや状況、それに対する対策を知ることが出来ました。特にほぼすべての視点の回転が酔いを引き起こしやすい要因であるという事がとても驚きました。興奮を醒めさせてしまうVR酔いをいかに防ぐのかを知れ、ショートセッションでありましたが、濃密な時間を得ることが出来ました。
4日目 CEDEC3日目
CEDEC最終日はインタラクティブセッションの「セガ/タイトー/ナムコ ビデオゲーム黎明期を切り開いた各社の開発資料展示」です。アウトラン、チェイスH.Q.、ファイナルラップそれぞれの実際の企画書が展示されており、また開発者の方へのインタビュー映像もあり、とても貴重な情報を得ることが出来ました。同じジャンルの、同時期に出たゲームなのにここまで企画に差があることに驚きました。展示されている企画書から、プレイヤーを楽しませようとする熱意を感じ、プロのクリエイターの面白いを追及する姿勢を、改めて尊敬しました。
終わりに
今回のCEDECスカラーシップを通じて、自らを振り返ることが出来ました。最前線で作り続けているプロの方々のお話を聞けるこの機会は、沖縄に住んでいる私には得難い経験でした。この経験を今後に生かすため、様々な事に興味を広げ、チャレンジしていきたいと思います。この4日間を支えてくださった皆様、この度は本当にありがとうございました。