長崎県立大学国際社会学部国際社会学科4年の野原玲茂です。現在はフリーランスとしてインディーゲームの英日翻訳をしており、将来は転職して大手企業の英日ローカライザーとして入社することを目標にしております。
1日目:スタジオツアー
初日は、あまた様、ポケラボ/GREE様、プラチナエッグ様へ、ゲーム開発スタジオの見学へ行きました。普段は目にすることのできないゲーム開発スタジオの風景を、大中小それぞれの規模で見ることができました。今回のスカラーシップメンバーの中でローカライズを目指しているのは私一人のみだったので、企業の方のお話や質問のやり取りを聞く中で、ゲームの翻訳はあくまでテキスト部分でしか関われないと実感しました。それでも、ゲーム開発全体の仕事内容は知っておくべきだと思うので、そのような意味でもとても参考になりました。
2日目:TGSビジネスデイ1
いよいよ東京ゲームショウです。まずは、「5Gインパクト~5Gによって“ゲームチェンジ”は起こるか?」と題した基調講演を聞きました。私は長崎出身なので、地元にそのような最新通信規格が普及されるのはさらに先になるだろうと思いました。
お昼はメンターランチとして、3日間を通してゲーム業界で働いている方々と一緒にお弁当を食べる機会がありました。プログラミングと翻訳をされている方や、大手企業のローカライズ部門の方とお話をする機会があり、貴重なお話を聞くことができました。
そのあとは自由時間でしたが、すぐに私が翻訳したゲームの展示が控えていたので、ほかのブースを回るのは次の日にしました。
私は、“Ring of Pain” というローグライク・カードゲームを翻訳する機会を頂き、展示しました。そのゲームの名刺カードを作っていたので、試遊してくださった方々へそれを渡し、意見を頂き、開発者の方へ伝えました。
その日の夜に、このプログラムに組み込まれていたものではありませんが、N氏主宰のゲームローカライズ交流会に参加させて頂きました。第一線で活躍されている英日ゲーム翻訳者の方々とたくさん直接お話ができ、とてもありがたかったです。この日にお話をして頂いた皆様、本当にありがとうございました。
3日目:TGSビジネスデイ2
この日は、企業ブースや試遊、フォトスポットを回りました。一般日はとても混むと聞いていたので、気になる所はほぼ全て回りました。中でも、“Cyberpunk 2077” は、よくローカライズ特集が組まれていたので、そのフォトブースで写真を撮ったり、吹き替え版デモを観たり、そのローカライザーさんとご挨拶ができたりしたので、とても嬉しかったです。他にも、“Last Labyrinth”、”Deemo”、“ドラゴンクエストⅪS”を試遊できました。気になったVRタイトルも試遊したかったですが、事前予約をしていなかったので、来年はそうしようと思いました。
夕方は、「センス・オブ・ワンダーナイト」に参加しました。ユニークな発想のインディーゲームに触れて、想像力の豊かさに驚きました。その中に翻訳してみたいタイトルがあったので、機会があればそうしたいです。
4日目:一般公開日
この日は人が多すぎたので、比較的人が少ないインディーゲームブースで、前日のプレゼンテーションで気になったタイトルを中心に試遊しました。
ゲームの展示もしましたが、日本語のフォントではなかったことを指摘されてしまい、事前チェックの甘さを痛感しました。
このプログラムを通して学んだのは、人とのつながりの大切さです。4日間で、たくさんの方と名刺を交換しました。そこから新たな仕事をもらうことができたので、とても運が良かったです。ゲームを翻訳するローカライザーという職業を知って、1年足らずでこのような経験ができるとは思ってもいませんでした。
このプログラムは、ゲーム開発だけでなく、ローカライズを目指す学生さんにもぜひ参加してほしいです。思わぬ形で仕事をもらえると思います。
最後に、小野さんをはじめとしたIGDAの皆様、スカラーシップメンバー、スタジオツアーの企業様方に感謝を捧げます。本当にありがとうございました。