シリコンスタジオとEIZOがHDRソリューションの開発で協業

国産ゲームエンジン・Orochiで知られるシリコンスタジオと、コンピュータモニターなどの老舗企業EIZOが協業し、Hybrid Log-Gamma(以下HLG) 対応HDR(High Dynamic Range、映像の輝度を拡大させる技術)ソリューションの開発が行われます。シリコンスタジオがHDRコンテンツ開発技術、EIZOがHLG対応HDRモニタの開発をそれぞれ担当し、ソフト・ハードの両面からコンテンツ制作をサポートできる新しいHDRソリューションの提案が行われる予定です。

両社は今回の協業により、従来のモニタやCG/写真コンテンツでは表現できなかった現実世界に近い光沢感を持つ金属のきらめきや、Adobe RGBの色域でも足りないとされる自動車などの塗装色を、非常に高い再現度で表示することができるとしています。これにより、プロダクトビジュアライゼーションにおいて発生しがちな、デザイン時のCGと実物の色合いが異なるギャップが解消されます。対象となる業界は放送、自動車など製造業を中心に、ゲーム、映像などが想定されています。

シリコンスタジオは2016年6月22日~24日に開催される「第24回 3D&バーチャルリアリティ展」と6月29日~7月1日「第2回 先端コンテンツ技術展」で、同社制作によるHLG 対応リアルタイムCGコンテンツを、EIZO製HDRモニタの試作機上でデモ公開する予定です。

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※SDR(右)画像は、HDRの効果を分かりやすくご紹介するために加工を施した参考画像です。

Hybrid Log-Gammaについて

NHK(日本放送協会)とBBC(英国放送協会)が協同で推進しているHDR方式の1つです。HDR表現が可能なことはもちろん、生放送で使用できることや、従来のテレビ方式とも高い互換性が維持されていることなどが特徴です。NHKでは、2016年から開始が予定されているBSでの4K・8Kの試験放送において、この技術が使用できるよう、放送方式の標準化や設備の整備が進められています。