GGJ2016日本語情報の特設ページです。3月14日(月)~3月15日(火)のGDC1日目、2日目に開催されるサミットの目玉セッションの参考訳情報を掲載しています。【メインカンファレンス情報はこちら】【クラシックゲーム他はこちら】
3月14日(月)~3月15日(火)
AIサミットでは業界内の優秀なゲームAIプログラマーによるパネルディスカッションやレクチャーが行われます。
ゲームAIプログラマー達の英知が結集したともいえるこのイベントで、商業的に成功しているゲームのAIプログラムの構造、問題点などを学び、今後どのように進化していくかについての議論に参加する事ができるのです。
ゲームAIに関するさらなる知見を得たい中級~上級のプログラマー向けですが、次世代ゲームにAIがどんな影響を与えられるかに興味がある方であればどなたでも多くの事を学ぶことができるでしょう。
Crafting AI for Epic Boss Battles in Warframe
Daniel Brewer (Digital Extremes)
様々なゲームにおいて、「ボス戦」はプレイヤーの体験の中でもピークとなる要素であるべきです。その出会いも様々な意味で盛り上がるものでなくてはなりません。事実、ゲーム開発において興奮する、楽しめるボス戦を作るためには様々な側面からのチャレンジが必要になります。独特の能力、奇抜な攻撃、練り込まれた攻略など、ボスのAIは他のNPCのAIを作るのとは異なるアプローチが求められます。このセッションでは、WarframeというポピュラーなF2Pゲームの中からいくつかの例を分析しつつ、ボス戦のAIを作成する際にどんなチャレンジがあったのか、プレイヤーの思い出に残るような素晴らしい体験をどのように作っていったのか、ゲームデザインやエンジニアリングの側面からも解説します。
得られる知見
圧倒されるようなボス戦を作るために開発中に行われたチャレンジの知識とアドバイス、AI開発に当たっての独特の試行錯誤の内容、WarframeというF2Pでの開発経験を通じ、アクションゲームにおけるボス戦の、ゲームデザインやエンジニアリングの側面からのアドバイスなど。
「Tom Clancy’s The Division」におけるNPCの作り方
Creating the NPCs of Tom Clancy’s The Division
Philip Dunstan (Massive Entertainment)
Drew Rechner (Massive Entertainment)
「Tom Clancy’s The Division」に登場する戦闘NPCのデザイン、開発についてのプレゼンテーションです。NPCデザイナーDrew Rechnerと、AIプログラマーPhilip Dunstanが、「The Division」の世界において、オープンワールドでのゲーム体験、さらにはレベルデザイナーの設計したシナリオに基づく他キャラクターとの遭遇などをどのようにAIにコントロールさせたか、デザインから実装にわたって解説します。特に、戦闘を盛り上げるためにレベルデザイナーが戦闘前、戦闘中のNPCの行動にどのように関わるかに注目します。
3月14日(月)~3月15日(火)
コミュニティマネージャーサミットは1日を通して行われ、ゲーム開発プロセスの中で急速に発展、注目されている、このコミュニティマネジメントという重要な要素にあらゆる角度からアプローチし、ユーザーのロイヤリティと熱意を維持するためにはどのようにコミュニティを形成、運営し、どのように賛否両方の意見を取り入れていくかに注目します。どのようにコミュニティからの需要をマネジメントし、それを会社の目指す方向性にどのように反映させていくかについての議論が行われます。
このサミットでは過去の成功事例、業界内の有識者によるケーススタディ、振り返りなどを通じ様々な知見が得られるでしょう。
>コミュニティマネジメントサミットのすべてのセッションを検索(英語)
Linda Carlson (Trion Worlds)
Tony Jones (Daybreak Games)
Donna Prior (Microsoft / JeffreyM Consulting )
Eric Cleaver (Trion Worlds)
Richard Weil (Metaverse Mod Squad)
ゲームコミュニティにおいて大きな影響力を持つに至ったRedditとフォーラム、どちらがより有用なのかについては業界内部でも常に熱い議論がなされ、両陣営に支持者がいます。どちらか一方に注力する会社、反対側に注力する会社、両方をサポートしようとする会社もあります。1つの会社の内部ですらどちらをサポートするべきかについて議論が起こり、それぞれのコミュニケーションのあり方はコミュニティマネージャーにとってもプレーヤーにとっても大きな影響を持つ問題です。この2つのプラットフォーム周辺で起こる様々な事例について、議論を盛り上げる(あるいは炎上させる?)ための信頼のおけるデータを元にパネリストたちがディスカッションします。
得られる知見
コミュニティマネジメントの分野は急速に変化しつつあり、コミュニティマネージャーはプレイヤーコミュニティから得られる情報のためにどのように時間を活用するべきか、常に判断を迫られています。Redditやフォーラムといった巨大なプラットフォームのどれを選ぶか、その判断は簡単ではありません。会社の上層部でもそれぞれの持つメリット、デメリットによって意見が分かれるでしょう。参加者はディスカッションを通じその判断の手助けとなる論点やデータを得られますし、自分の会社に戻ってその続きを行うのも良いでしょう。
ESPORTS
3月14日(月)~3月15日(火)
eSportsサミットではeSportsに関する様々なセッションが2日間にわたって開催されます。開発者やプレイヤー、イベントオーガナイザー、実況/解説者、ジャーナリスト、ストリーマーなど、多くの知識、経験、影響力を持つ講演者を招待中です。企画、開発、運営、コミュニケーションなど、この激動の業界内における様々な知見がシェアされる予定です。
3月14日(月)~3月15日(火)
過去数年で、Free-to-Play (F2P) モデルがゲーム業界に革命をもたらしました。オンライン、そしてモバイルゲームではF2Pモデルが大多数を占めて、そして大成功したF2PゲームがSteamや家庭用に移植される、という流れも生まれつつあります。
一方で、もはやF2Pモデルは目新しいものではなくなったものの、企画者や経営者は、このゲーム性とマネタイズ要素が緻密に組み合わされた、エンディングの無いゲームデザインにどのような新規性を盛り込めるのか日々奮闘しています。
この妥協の無い、熾烈な競争の中に立ち向かえるゲームを作りたいと考えていますか? ユーザー獲得コストの上昇が頭痛の種ではありませんか? F2Pサミットで、業界のプロフェッショナルがストレスを軽減し、その答えを提供します。
2016年、あなたのF2Pゲームの開発にゴーサインを出させるには?
How to Get Your F2P Game Greenlit In 2016
Demetri Detsaridis (Experiment 7)
1時間の講演とQ&Aで、ベテランゲーム開発者にしてコンサルタントのDemetri Detsaridis(去年はF2Pゲームの開発承認を両方の立場で行いました)が、今日どのようにしてF2Pゲームの開発を承認させ、スタジオやパブリッシャー、あるいは投資家から資金を調達するかについて解説します。昨年開発された、モバイル、PC、コンソールゲームを事例に、F2Pゲームの企画時、プロトタイプに期待されている物は何か、そしてこの急速に進化するマーケットで簡潔にして成功する企画について学びます。
得られる知見
現在のF2Pゲームマーケットで「システムとして求められるもの」について、あなたの企画書が上層部に届くか、ゴミ箱で終わるか、するべき事、そうでない事の差を実例から学びます。
ソーシャルインパクト: マネタイズ、ユーザー獲得とゲームデザインのためのコミュニティの活性化
Social Impact: Leveraging Community for Monetization, UA and Desi
Dmitri Williams (Ninja Metrics)
パスのタイプ: オールアクセス、サミット、チュートリアル&ブートキャンプ – 今すぐパスを購入しましょう!
このセッションでは、プレイヤー同士が相互にどのように影響を与えるか(ソーシャルバリュー)を「ソーシャルインパクト」というコンセプトで解説し、ジャンル、手法、プラットフォームごとにその影響度合いを検証、使用されるデータは匿名化された5億人以上のプレイヤーの動向です。さらに、どのような経路でユーザーが獲得されたかをパブリッシャーごとに検証しています。ユーザー数、質の高いユーザーを獲得するのに有効な経路、アピール方法についても解説します。マーケティング、ユーザー獲得、コミュニティマネージャー、ゲームデザイナー向けのセッションです。
得られる知見
どのようなジャンル、手法によるアプローチがより高い(あるいは低い)ソーシャルバリューを生み出すのか、そして、マーケティングやユーザー獲得担当者はその経路ごとの動向やROI(投資回収率)についての知識が得られます。
あなたは一人じゃない: 問題解決のためのバックエンドテクノロジー
You’re Not Alone: a Backend Technology Solution Survey
James Gwertzman (PlayFab, Inc.)
もはやF2Pゲームのバックエンドを開発会社がゼロから作る時代ではありません。今日では数百ものベンダーが、ユーザー属性調査、広告、カスタマーサービス、ローカライズ、予測分析、A/Bテスティング、税金計算、不適切なコンテンツのフィルタリング、課金処理など様々なサービスを提供しています。このセッションでは、これらのサービスの調査、ジャンルごとのリーディングカンパニーの分析、これらの会社をどのように複合的に組み合わせて活用するかを解説します。このサミットの他の参加者も話題にするでしょうが、マネタイズをブーストする手法、効果的なユーザー獲得、ユーザー動向分析なども含め、これらのサービスをどのように組み込んで活用するかについて、踏み込んだ話をします。
得られる知見
現在提供されているバックエンドサービスの入門書的役割として、各ジャンルの解説と、それぞれの分野のリーディングカンパニーの分析を行います。複数のサービスを組み合わせて使う際の方法、複合的なLTVの計算や新規ユーザーの正確な獲得コストなどについての知識が得られます。
3月14日(月)~3月15日(火)
ゲームナラティブサミットでは、AAAタイトルからインディー、モバイル/ソーシャルタイトルまで、様々な種類のインタラクティブなナラティブについて網羅、ジャンルの専門家が多数登壇します。内容も、上級の理論から実用的なケーススタディ、そしてゲームデザイナーやライター、プロデューサーなど、ナラティブについての知識を得たい他の職種の参加者にも役に立つものまで様々です。エンタテインメントの未来に大きな影響を与えると見られ急速に進化を見せているインタラクティブなストーリーテリングに興味を持つ世界中の人にアピールするでしょう。
>ゲームナラティブサミットのすべてのセッションを検索(英語)
Jennifer Hepler (Disruptor Beam)
プレイヤーに対し専門用語を使うことなくゲームの中の複雑な情報を伝えようとして苦労したことはありませんか? あなたの作った登場人物が、自らの意思を持って生きている人間では無く、単にシナリオの中に登場する記号的な存在だと感じたことは? ゲームライターにとって、解説はとても難しいものです。複雑な世界観とストーリーライン、しかしアクションの中ですぐに通り過ぎられてしまうのですからなおさらです。ゲーム内の解説を、キャラクターの成長譚、あからさまでない誘導、異なる視点からの見せ方、ナレーションなどにカモフラージュして行う効果的な方法論を紹介します。
得られる知見
このレクチャーを聞いた後は、ゲーム内での情報の出し方に自信が持てるようになるはずです。ナレーション音声やキャラクターの成長を通じてのナラティブを議題のメインにすることで、ライターが、プレイヤーがゲーム内で提供された情報をより忘れづらくなるような方法を学ぶことが出来ます。
主人公なんていらない: 「80 Days」における、動機を持つ複数のNPCによるナラティブへの挑戦
Forget Protagonists: Writing NPCs with Agency for “80 Days” and Beyond
Meg Jayanth (Freelance)
多くのゲームにおいて、主人公というものはスーパーヒーローか弱者のどちらかです。そこにNPCがバックグラウンドとなるストーリーや感情、プロットの展開を提供し、ゲームの世界は主人公が重要な人物である、という事実を補強するために存在します。
しかし、主人公はプレイヤーではありません。多くの場合、プレイヤーはNPCにも存在感、動機、モチベーションがある事を好みます。たとえそれが主人公の行動を制限することになったとしても。
「80 Days」(TIME誌の2014年ゲームオブザイヤー、IGF2014年ベストナラティブ、BAFTA4部門ノミネート)のシナリオライティングの経験、そして他のゲームでの例を引いて、Meg Jayanthがゲームのナラティブを生き生きさせる、立体的で魅力あるNPCの書き方を講演します。
得られる知見
ゲーム内におけるナラティブの観点からのNPCの役割について、そして彼らのいるゲーム世界における価値、目的、機能についてのより深い理解を得られます。
3月14日(月)~3月15日(火)
GDCエデュケーションサミットは、今日のゲーム教育に関する最先端の、素晴らしいアイデアの数々をご紹介できるように尽力しています。参加者は様々な実験的、独創的なアプローチ、そして様々な成功事例を体験、持ちかえる事ができるでしょう。このサミットでは既に確立されたカリキュラムをもっている教育者や新たなゲーム学部を作ろうとしているクリエイターに、これから数年間のビジョンを提供できるでしょう。次の世代の生徒にとって、この教育の中でも新しい分野がどのように進化していくかを知る良い機会になると思います。
>GDCエデュケーションサミットのすべてのセッションを検索(英語)
Ian Schreiber (Rochester Institute of Technology)
ゲームバランスというものは遊ばれている全てのゲームで体験されるもので、当然ながらゲームデザイナーにとって大変重要な意味を持つ者です。しかし、教科書があるわけではなく、論文も少なく、このニッチな内容を教える授業はさらに少なくなります。もしゲームバランスの授業があるとしたらどんなものになるでしょうか? このセッションでは、ゲームデザイナーにして教育者であるIan Schreiberが、彼が実際に大学で行っているゲームバランスの授業のカリキュラムや課題などを用い、理論を実践に落とし込み、どのようにスキルを身に付けていくのかをプレゼンテーションします。
得られる知見
大学で実際に行われ、実証されているゲームバランスに関する授業の中で話される内容、課題などを深く学びます。それらを自らの学校で使う事も可能でしょう。
3月14日(月)~3月15日(火)
インディーゲームサミットはGDCでのインディゲーム開発者達のための場所です。IGFのファイナリストや優勝者を含む、著名なインディゲーム開発者によるレクチャー、振り返り、ラウンドテーブルなどが行われます。様々なバリエーションの意見、経験、視点などを提供する一方、ジャンル内最高にして聡明な開発者たちをフィーチャーします。
>インディペンデントゲームサミットのすべてのセッションを検索(英語)
アンチ・プラットフォームゲームのデザイン:「Mushroom 11」のパズルシステム
Designing The Anti-Platformer: Mushroom 11’s Puzzle Systems
Itay Keren (Untame)
Global Game Jam において極めて静かにスタートした「Mushroom 11」ですが、インディーゲームデザイナーのItay Kerenは新規性のあるゲームデザインの可能性を熱心に探索しました。Itayとともに、このアワードを受賞したゲームの新しいゲームメカニクス、刈り取ったり枝分かれしたりと自由に変形できるオブジェクトが生み出すこの奇妙なパズルゲームのインタラクティブ性を見ていきましょう。
得られる知見
昨年10月にリリースされ、アワードを受賞した「Mushroom 11」のパズルをデザインするにあたってどのようなチャレンジがあったのかを紹介します。ゲームデザイナーItay Kerenによる、オブジェクトの形と物理演算が生み出す斬新なパズルゲームのデザイン、得られた数々の知識を見ていきましょう。
闇の中の松明: 「Darkest Dungeon」を導くための創造的なディレクション
A Torch in the Dark: Using Creative Direction to Light The Darkest Dungeon
Chris Bourassa (Red Hook Studios)
開発期間中において、確固たる意志を持ったディレクションは、あちこちに待ち構える危険な泥沼にはまらず進むための明るい一筋の光だと言えましょう! このセッションでは、揺るがないコミットメント、明白な意志を持った外部のクリエイティブコアメンバーによって作り上げられた「Darkest Dungeon」の開発中、どのような意志を持ってディレクションが行われたかを説明します。ビジュアルデザイン、オーディオ、ゲームデザインなどゲームの主題をソリッドな物にするためのディレクションだけではなく、時としてどんなゲームプロジェクトにも発生する、不必要な要素の断固たるカットも含まれました。開発期間中の最も暗くタフなタイミングにおいて、聡明な判断は意欲と強さを与えてくれるものです!
得られる知見
外部のクリエイティブコアが提示する確固たるビジョンがゲームの魅力を増し、効率の良い開発で迷走を防ぐ指針となる事を学びます。
騎士、殴り合い、レーザーと地下墓地:ゲームを改善するための破壊的多様性とは
Knights, Fist Fights, Lasers & Catacombs: Subversive Diversity to Improve our Games
Shawn Allen (NuChallenger)
Catt Small (SoundCloud/Brooklyn Gamery)
インディーゲーム界が発展を続けていく中で、ゲームの中における多様性についての議論も続いており、一方で開発者間の協力関係があまり無いのも事実です。このセッションはそういった問題の橋渡し役になりたいと考えています。今までに「このやり方で良いのだろうか」「媚びたり反感を買わないように異なる種族をゲーム内に登場させるにはどうしたらよいか」「キャラクターに多様性を持たせることでゲームにどんな影響がでるだろうか」などと考えたことがあるなら是非このセッションにお越しください。
得られる知見
新規キャラクターの追加、ナラティブ作成、グループ内外のメンバーとどのように仕事を割り振るか、などに悩みつつもインディゲームの地位向上に向けて努力している皆様に、この混沌とした市場の中でどのようにゲームを改善し成長を続けるか、の実践例を提供します。
ゲーム制作において馬鹿にできない“勘”というモノ:GALAK-Z
Flying by the Seat of Our Pants: GALAK-Z
17-BITは60年以上に及ぶ開発経験を元に、制作の慣行に関する確かな知識を生かしながらGALAK-Zを作り上げました。安定した制作サイクルを確立するにはそれで十分なはずでしたが…プロジェクトは途中から興味深い方向に動き出します。プロジェクトがなぜ脱線したのか、そして元に戻るために何が行われたのか。率直な披瀝によりその軌跡が明らかにされます。
要点
プロジェクトが深く進行するにつれて開発者が陥りやすくなる落とし穴。組織力の優れたチームでさえ、チームの大きさにかかわらずそのような危機を迎えることがあります。制作プロセスについてどれほど知識の蓄積があろうと十分ではありません。このセッションでは、プロジェクトに問題が発生する前に現れるいくつかの兆候について解説を行います。
SOMA – Crafting Existential Dread
Thomas Grip (Frictional Games)
Frictional Gameの『SOMA』は、意識、自我と人間であることの意味という、誰もが不安を覚える領域を探索するSFホラーゲーム。ゲームを通じてプレイヤーにこのようなテーマを追求させるゲームデザインは非常に大きな挑戦でした。講演では開発チームが取った様々な設計上のアプローチや、それが目標達成にどう貢献したかが解説されます。
要点
非常に明確かつ深遠なテーマを追求するゲームを制作するには何が必要か。最大のハードルは?どのような問題が発生したか。最も効果的だったアプローチは?
The Armello Postmortem: A Journey of Spirit & Peril
Trent Kusters (League of Geeks)
League of Geeks共同創設者兼ディレクターのTrent Kusters氏が4年以上にわたる『Armello』のユニークな開発の旅について語り、情熱と実行の絶妙なバランスにより、LoGの将来が設立前から約束されていたことを解き明かしていきます。立ち上げまでに『Armello』が経験した数々の成功や失敗に何度も深く切り込みつつ、LoGのユニークなプロフィットシェアリングモデルや、ワールドクラスの人材を集めた手法、KickstarterおよびEarly Access戦略、実践により練り上げられたマーケティング手法、重要なパートナーシップの構築を成功させる秘訣、そしてさらには誰にでも―無名で無一文のオーストラリア人でも―できる独立系デベロッパーの設立について語ります。
要点
League of Geeksがプロフィットシェアリングや分散型プロダクション、自社によるマーケティングについて、何が成果を上げ何が失敗だったかを振り返りつつ、さらにはKickstarterおよびEarly Accessに関しても考察を発表します。もちろん、全く新しいゲームとIPを生み出すまでの過程についても。
3月14日(月)~3月15日(火)
GDCのスマートフォン&タブレットゲームサミットは、世界中の一流ゲーム開発者が集まって様々なアイデアを発表しつつ、最善の慣行について検討し、iOSやAndroid、Amazonといったモバイルプラットフォームにおけるゲームの将来を考える場です。2日間にわたるプログラムでは、優れたゲームデザインに必要とされる要素や、人気のスマートフォンおよびタブレットPC向け専用に設計されるゲームのビジネス戦略について検討が行われます。
>スマートフォン&タブレットゲームサミットのすべてのセッションを検索(英語)
デザインを精査する:『Land Sliders』のコントロール
Design In Detail: Controlling Land Sliders
Luke Muscat (Prettygreat)
『Land Sliders』は、プレイヤーが自らの足下の世界をドラッグして動かすゲームです。このゲームを制作した意図は、直感的にプレイできる、タッチスクリーンならではのゲームを作ることでした。でもテストプレイヤー全員がバラバラのフィードバックをしてきた時、求められる対応は?カジュアルゲーマーとコアゲーマーの溝はどう埋めるべきか?このセッションではこうした事態への対応を検証し、4か月にも及んだ何段階もの反復作業を経て、真に万人向けと誇れるコントロールシステムを作るためのプロセスについて解説します。
要点
ユニークなタッチスクリーン用コントロールシステムを設計するプロセスについての詳細な考察、さらにはプレイヤーの体験を最適化するシステムの具体例を紹介するほか、非常に多岐にわたるテストプレイヤーのフィードバックに対応するための様々な手法や姿勢についても検討を行います。GDCのスマートフォン&タブレットゲームサミットは、世界中の一流ゲーム開発者が集まって様々なアイデアを発表しつつ、最善の慣行について検討し、iOSやAndroid、Amazonといったモバイルプラットフォームにおけるゲームの将来を考える場です。2日間にわたるプログラムでは、優れたゲームデザインに必要とされる要素や、人気のスマートフォンおよびタブレットPC向け専用に設計されるゲームのビジネス戦略について検討が行われます。
Mobile Devices and Disabled Gamers
Ian Hamilton (Ian Hamilton Design & Consultancy)
ゲーマーの20%には何らかの障害があり、モバイルゲーマーの多くは状況によりゲームをプレイしづらい状況に陥ることがあります。日が当たる場所や、地下鉄で手すりを握った状態でのゲームプレイがこうした状況に当たりますが、いずれにせよ小さな画面とタッチインターフェースというモバイルデバイス特有の構造には、いくつかのアクセシビリティ上の障害やそれに対する解消方法が存在します。
このセッションではアクセシビリティと障害が実際に意味するものと、その重要性に関する考察を行います。また、開発者がゲーム制作で使えるモバイルならではの簡単な配慮や、それがユーザーやビジネスに与えうる影響について解説します。
要点
障害とアクセシビリティについて理解を深め、それが重要である理由や、アクセシビリティとモバイルゲームの関係、ゲームに取り入れることができる簡単なテクニック、さらには参考となるリソースについて学ぶことができます。
VIRTUAL REALITY DEVELOPERS CONFERENCE
3月14日(月)~3月15日(火)
サンフランシスコのゲームデベロッパーズカンファレンス2016と並んで開催されるバーチャルリアリティデベロッパーズカンファレンス(VRDC)では、業界をリードする新たなスタンドアローンのイベントとして、ゲーム、エンターテインメントおよびIT業界から専門家を招いて驚異的な没入型VR(およびAR)を制作する最新技術についてディスカッションを行います。
この新たなイベントではゲームという枠組みを超えて、VRおよびARの領域でありとあらゆるインタラクティブな体験について探求します。カンファレンスのプログラムでは、急増するVR/ARゲーム開発者と、CG映画やフィルム撮影の映像に留まらない、ゲーム以外の幅広い娯楽用没入型アプリケーションに携わる開発者の両方にとって有益な情報をご提供します。
ゲームVR/ARトラックでは、デザインや制作、プログラミング、ビジュアルアートなどの多岐にわたるトピックを取り上げながらゲーム開発における仮想現実と拡張現実について検討します。このトラックでは最近のVRおよびARゲーム開発の現場で進行している興味深い仕事を取り上げ、VRDC来場者に刺激的かつすぐに活用できる貴重な体験をご提供します。
仮想現実(VR)と拡張現実(AR)はゲームだけのものではありません。エンターテインメントVR/ARセクションではエンターテインメント、旅行、小売り、フィットネス、プロダクトデザイン、ジャーナリズムおよびスポーツといった多様な産業におけるVRとARの活用やデザイン、使用例、開発について検討を行います。
Creating Believable Human Characters in VR
Pete Isensee (HBO Code Labs)
テレビ向けに実際の俳優を使って制作されたシリーズをバーチャルリアリティ体験に再構築するには何が必要でしょうか?実現には演技をリアルタイムに再現する上での制限が問題となります。これはHBO内のある小規模チームが過去1年間に実際に取り組んできた課題です。このセッションでは、動画やモーションキャプチャ、フェイシャルキャプチャ、アニメーション、AIなどを組み合わせて、人間の演技を現実さながらにVRで再現するための選択について考察を行います。さらには、ゲーム開発と映画制作両方の優れた特徴を組み合わせて、ユーザーの直感に自然に働きかける体験を作り出す手法のディスカッションも開催されます。
要点
VRで作られた人物を自然に見せるためにクリアすべき問題に対する理解が深まります。コンピューターで描画したシーンと360度の映像の比較で明らかになるトレードオフや、HBOにおいてVRで最も効果的だったテクニックの解説なども行われます。
Making Compelling and Immersive Story at 90 FPS
Maxwell Planck (Oculus Story Studio)
リアルタイム没入型VRというストーリーテリングの媒体は、その新しさや旧来の手法との乖離故にこれまで使われてきた技術的な慣行やプロセスが通用せず、クリエイターたちは再考を迫られることとなりました。このセッションでは2本のVRによるショートフィルム『Henry』と『Lost』の制作陣の体験を通じて、ストーリーを11分の厳密な制約内に収める上での困難な選択や、撮影を軸とした制作からストーリーを軸とした制作への転換が語られるほか、ユーザーが「別世界に自分が存在している」と感じられるプレゼンスを前提に物語を作り上げていく、画期的かつ興味深い挑戦についての考察が披露されます。
要点
VRストーリーテリングに関心のあるテクニカルおよびクリエイティブ分野のゲーム開発者に向けたセッションです。また、VRストーリーテリングにおける創作上の制限が自分の仕事にどう影響するかに関心のあるストーリー開発担当者やプロデューサーにとっても有用な内容です。