Game Developers Conference 2016 日本語情報(その2 カンファレンス)

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GDC2016日本語情報の特設ページです。オススメの講演サマリーの日本語参考訳を掲載していきます。3~5日のカンファレンスについての情報を掲載していきます。【サミット・VRDCはこちら】 【クラシックゲーム他はこちら

カンファレンス|アドボカシーカンファレンス|オーディオカンファレンス|ビジネスカンファレンス|デザインカンファレンス|プロダクションカンファレンス|プログラミングカンファレンス|ビジュアルアート

カンファレンス|アドボカシー

ADVOCACY

GDCアドボカシートラックは、社会提言の領域に属する既存および新たな問題にかかわるトピックを発表する場です。取り扱うトピックは多様性から検閲、さらには生活の質にまで及びます。このトラックにおけるセッションが討論のためのフォーラムとなり、究極的には開発コミュニティに変化をもたらす場となることを期待します。

アドボカシートラックのセッションはどのGDCパスでも入場できます。

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ジェダイ・マインドトリック:ゲーム開発における認知バイアス

 Jedi Mind Tricks: Cognitive Biases in Game Development

Daniel Menard (Double Stallion Games)

ゲーム開発チーム、特に独立系デベロッパーに影響を及ぼす認知バイアスの特訓講座です。このコースでは、人間に対する理解を深め、より良い職場文化の形成やスタッフにとってより満足度の高い環境作りについて学ぶことができます。ゲームやスタジオの成功に、運が何よりも大きく貢献したと感じたことはありませんか?開発チームを率いている自分を、まるで詐欺師のように感じたことは?良い結果と悪い結果の両方でチームを動かそうとしたことは?でも脳の錯覚を理解してゲーム開発に利用すれば、こうしたトラップを回避することができるのです。本コースでは人間の心理や行動の研究に基づいて、このような認知バイアスのディスカッションを行います。

要点

認知バイアスとそれがチームやスタジオにどう影響するかについて学ぶことができます。講義ではサバイバーシップバイアス、運、インポスターシンドロームおよびモチベーションをカバーし、それらがどうゲーム開発にかかわり、開発者がそうしたバイアスを回避するためにどのような方法をとればよいかについて解説します。本コースが推奨する手法は科学的および経験的研究に基づいています。参考資料およびリーディングリストも配布されます。

対象者

マネジメントまたは組織の意思決定にかかわる方なら、心理学の基礎を理解し、ゲーム開発に適用する方法を学べる本コースは有用な体験となるでしょう。インディーズゲーム業界でプロデューサーを務める方や、チーム文化に影響を与える立場にある方、またはこれからスタジオを立ち上げようとお考えの方にお勧めのプログラムです。自動生成された代替テキスト:

 


「ノー」の国のクリエイティブライフ

Leading a Creative Life in the Land of “No.”

Bob Bates (Independent)

インディーアポカリプス(インディーズ黙示録)を信じるか信じないかにかかわらず、インディーズの世界で創作を仕事にするのはハードモードです。どの方向を向いても「ノー」を突きつける人たちばかり。曰く、あなたが作っているゲームは売れない、なぜなら「ビジネスモデルが合っていないから」、または「注目を集められないから」、または「売れないジャンルだから」等々。そんな悩めるクリエイターたちに、Infocom、Legend EntertainmentおよびZyngaのベテランデザイナーで現在はインディーズで活躍中のボブ・ベイツ氏がインディーズデベロッパーの前に立ちはだかる試練と、それを乗り越えるための具体策について解説します。クリエイティブライフを築くためのステップや、日々の仕事、プロジェクトを管理し、不安をコントロールするための実用的なアドバイスにご期待ください。

要点

クリエイターとしての生活を管理し、時に圧倒的な否定に直面する中でインディーズゲーム開発者として創作を行うための具体的なテクニックについて学ぶことができます。

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カンファレンス|オーディオ

AUDIO

オーディオトラックでは業界を代表するプロフェッショナルが集まって実体験から得た知識を共有し、美、技術、ビジネス、流通などの問題はもちろん、幅広いトピックについてカバーします。

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サーキットの聴覚体験を再現する:Forza Motorsport 6のミキシング

Simulating the Race Day Experience: Mixing Forza Motorsport 6

Chase Combs (Turn 10 Studios)

Nick Wiswell (Turn 10 Studios)

モーターレースを見に行った人にその体験を一言で表してみてと聞いたら、大体は「音がすごかった!」と返ってくることでしょう。高度にチューニングされたエンジンが爆音を上げながら通過し、周辺の構造物に反射して響き渡り、遠くからも聞こえる様は全て、レースがもたらす聴覚のカオスとなります。

ですが、その全てをシミュレートしながら、なおかつプレイヤーにはグループの先頭を切るタイヤの音や、タイヤの山にクラッシュする音などの重要な聴覚情報が聞こえるようにするにはどうすればいいのでしょうか?

このセッションではTurn 10 StudiosのクリエイティブオーディオディレクターのNick Wiswell氏とオーディオリードのChase Combs氏がゲームのミキシングに取り組んだ際、濃密な音波が織りなす風景と、プレイヤーに与えられる詳細な聴覚フィードバックとのバランスを取るために、チームが取ったアプローチについて解説します。

要点

レーシングゲームのミキシングには、このジャンル特有の問題があります。『Forza Motorsport 6』のミキシングにおいて、そうした問題に取り組むためのアプローチやそこから得られた教訓は、様々なプラットフォームで幅広いジャンルのゲームに応用できる知識です。

対象者

サウンドデザイナーやオーディオ関連のリード、ディレクター、プロデューサー、ミキサー向けのセッションです。一般的なオーディオDSPおよびミキシング用語の基礎知識をお持ちの方にお勧めします。

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 『トータルウォー』から『アサシン クリード』まで:モバイルゲームの音楽

From Total War to Assassin’s Creed: Music for Mobile Games

Winifred Phillips (Generations Productions LLC)

『トータルウォー』から『アサシン クリード』まで、モバイル/ハンドヘルド機向けゲームの音楽をピックアップするこのセッションでは、携帯機のゲームに適した音楽の作り方のコツを公開します。講師のWinifred Phillips氏は数々の家庭用ゲーム機向けおよびPC向けタイトルの音楽を手がけたほか、モバイル向けゲームでも7作品(『Total War Battles: Kingdom』、『アサシン クリード リベレーション』(Vita)、『リトルビッグプラネット』(Vita)、『コール・オブ・チャンピオンズ』、『クラッシュ オブ キングス』、『スピード・レーサー』(DS)、『Shrek the Third』(DS))のゲームに楽曲を提供している作曲家です。活況のモバイルゲーム産業で音楽を作る上での課題についてPhillips氏が解説し、モバイルゲームの構造を分析することにより、「いつでもどこでも」遊べるゲームにおいて音楽が果たす役割を探究します。美的なインパクトとプレイヤーの楽しさを最大化しながらモバイルゲームの満足度を上げるために、音楽はどのようなアプローチを取れば良いのか。Phillips氏が自ら携わったプロジェクトや他の有名タイトルを題材に、オーディオフィデリティーとダイナミックインプリメンテーションの技術的な問題を取り上げつつ、モバイル作品における音楽の効用を拡大するソリューションを提示します。

要点

Phillips氏が多数のヒット作品の詳細な例を取り上げつつ、モバイルゲームを効果的に盛り上げた楽曲の芸術的・技術的アプローチについて解説を行います。参加された方がプロジェクトに応用できる実用的なノウハウをご提供します。

対象

モバイルゲームやインタラクティブミュージックシステム、ミュージックインプリメンテーション戦略に関心がある方にお勧めのセッションです。ポータブルゲームの楽曲に対するシンプルなアプローチはどのような方でも取り組み可能ですが、より経験豊富な方にはメモリやオーディオフィデリティー、ダイナミックインプリメンテーションなどの問題に対する革新的なソリューションが参考になるでしょう。

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『Evolve』の音楽:マルチプレイヤーゲームのための作曲

The Music of Evolve: Composing For Multi-Player

 Jason Graves (Jason Graves Music. Inc.)

独創的な戦闘システムで知られるマルチプレイヤー・アクションシューター『Evolve』。このゲームには5人のプレイヤーそれぞれが独自の音楽を同時に聴くことができるという、戦闘に負けず劣らずのユニークな音楽システムがあります。このセッションでは『Evolve』に音楽を提供した作曲家Jason Graves氏が楽曲の詳細な解説を行い、楽曲のサンプルや楽器の選択、レコーディングの写真、ゲームのデモ映像、サウンド実験などの詳しい資料を紹介しながら、Graves氏の創作プロセスが段階的に紹介されます。その他にも、プロダクションのテクニックやインプリメンテーション戦略など、Graves氏がこのユニークな作品に携わる中で得た貴重な体験について学ぶことができます。

要点

カスタマイズ可能なマルチプレイヤーゲーム用の音楽について、作曲やインプリメンテーションを含め、詳細な知識を得ることができます。ディスカッションでは、シングルプレイヤーかマルチプレイヤーかを問わずプロジェクトに応用できる音楽や技術のノウハウをご提供します。

対象者

インタラクティブなゲーム音楽に関心をお持ちの方にお勧めのプレゼンテーションです。初心者でも扱えるシンプルなアイデアばかりではなく、より経験豊富な作曲家やベテランのオーディオ/クリエイティブディレクターにも有用な繊細なテクニックもご紹介します。

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『ブラッドボーン』のゴシックホラー音楽

 The Gothic Horror Music of “Bloodborne”

Peter Scaturro (SCEA)

Jim Fowler (Sony Computer Entertainment Europe)

Penka Kouneva (Kouneva Studios)

『ブラッドボーン』(2015年)はフロム・ソフトウェアの宮崎英高氏(『Demon’s Souls』、『DARK SOULS』)が手がけたPS4専用のホラーアクションRPGです。この作品の音楽は非伝統的なオーケストラの手法を取り入れつつ、大規模オーケストラや合唱団、ソリスト、パーカッションなどにより演奏され、その特異かつ濃密なゴシックホラーサウンドにより世界的に高い評価を受けました。

このレクチャーでは『ブラッドボーン』の楽曲に用いられた音楽的スタイルとオーケストラのアプローチを取り上げ、不協和音や恐怖をモチーフとした旋律のジェスチャー、「サウンドの壁」アプローチ、血も凍るようなアクションのBGMなどについて検討を行います。難解な編成のコーラスやオーケストラのエクステンデッド・テクニックが、疫病に冒されたヤーナムの絶望を演出する上でどう機能しているのか。また、オーケストレーションが多様な文化的バックグラウンドを持つクリエイティブチーム(フロム・ソフトウェアの日本人作曲家3名と米国人のゲスト作曲家3名)の「サウンド」と美学をまとめる上でどう役に立ったか。

本レクチャーではこのような観点から『ブラッドボーン』の楽曲を分析しつつ、さらに3つの大陸にまたがるチームに発生しがちなコミュニケーションおよびロジスティクスの問題や、音楽制作を成功に導くための戦略についても解説を行います。

要点

独創的かつ妥協を許さない楽曲を精密に分析。あらゆるキャリアステージの作曲家にとって非常に示唆的な内容であり、ホラー作品の楽曲作りに生かせる新たな視点やコツ、さらには多文化チームによる制作に役立つ実用的なノウハウを得ることができます。

対象者

あらゆるキャリアステージの作曲家、オーディオリード、編曲家、プロデューサー、ミュージシャン、ゲーム制作者、ホラー音楽専門家などにお勧めのセッションです。

カンファレンス|ビジネス、マーケティング&マネジメント
BUSINESS, MARKETING & MANAGEMENT

ビジネス、マーケティング&マネジメントトラックでは、デベロッパーがゲーム開発ビジネスの知識を身につけ、事業を改善する方法について学ぶことができます。

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『League of Legends』E-スポーツの過去、現在と未来
The Past, Present and Future for League of Legends Esports
Dustin Beck (Riot Games)

E-スポーツの運営を成功に導くのに必要なものとは何か? Riot GamesのE-スポーツ担当バイスプレジデントDustin Beck氏が5シーズンにわたる『League of Legends』E-スポーツの進化を振り返りながら、E-スポーツの将来性に対する多額の投資につながった選択や、その過程で得られた教訓について解説します。


基本プレイ無料ゲームの効果的なテスティング
Effective Testing for Free-to-Play Games
Emily Greer (Kongregate)

モバイル向けゲームはここ数年で急激に注目される分野になりました。売れるゲームは億単位の利益を出す一方で、ほとんどのゲームは公開直後から全く振るわず、プラットフォームやプレイヤーから見放されてしまいます。多くの開発者がいろんな方法でテストを行っています。たとえば限られたプレイヤーによるテストプレイや、地域限定公開などの方法です。しかしほとんどはプレイヤーを定着させることが出来ず、利益も上げられず、しかも技術的な問題を抱えていたりします。何がいけないのでしょうか?

Kongregate社は現在20以上のゲームをテストした実績があり、いくつもの貴重な経験を積んできています。今回の講演はテスト戦略を練る上での実用的なガイドとなるでしょう。予算や利益の見通し、手法ごとの利点や欠点、結果を評価するさいに陥りがちな点などを紹介します。今回はKongregate社のAdVenture Capitalist, Clobal Assault, Spellstone, Raid Brigadeなどのテスト結果を用いて、ケーススタディを行っていきます。

得られるもの
出席者は、戦略的に連続して行われるテストプランをどう構築するか、フィードバックから得られる経験を評価基準を通してどのように開発へ活かしていくのか、また公開時の予想売上高予測をどう行うのかなどについて学ぶことが出来ます。

対象者
ゲームを公開する人、もしくは公開する予定のある人全て、つまり開発者、デザイナー、経営者など立場を問わずに役立つ内容です。主にモバイル向けゲームを扱いますが、他のプラットフォームにも役立つことでしょう。F2Pゲーム市場や定着率、マネタイゼーション手法の一般的知識は役立つでしょうが必須ではありません。


ゲーム成果プロジェクト:チームワークやリーダーシップ、職場の雰囲気がいかに結果に影響するのか
The Game Outcomes Project: How Teamwork, Leadership, and Culture Drive Results
Paul Tozour (Mothership Entertainment)
2014から15年にわたるゲーム成果プロジェクトは、チームワークやリーダーシップや職場の雰囲気などの要素がいかに結果に関わってくるかに関する世界初の研究でした。本研究はチームワークやリーダーシップ、予算不足や残業、職場のマナーや信頼関係が、MetaCriticでつけられるスコア、開発遅延、目標の達成、費用対効果などの結果にいかに強く結びついているかを思いがけず明らかにしました。
今回の講演では2014から15年にわたるゲーム成果プロジェクトを紹介し、このプロジェクトを行うにいたった契機や、調査のデザイン方法、得られた結果、調査の限界(証明できることと出来ないこと)、また公開されている研究成果には含まれていない幾つかの追加の発見などについてお話します。

得られるもの
参加者はゲーム成果プロジェクトやその研究成果、職場の雰囲気と結果の関係について深く理解し、すぐに自分の職場に活かす事ができるようになるでしょう。

対象者
より良いチームやゲームを作りたい全ての人が対象です。しかし特にマネージメント、プロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダー、プロデューサーなどの方に特に役立つでしょう。


モバイル向けストアリスティングの最適化手法
Optimizing Our Mobile Store Listing
Christian Calderon (Dots)

アプリの見つけやすさや配信方式は開発者の成功に深く関わっています。Dotsチームが行った、最適化されたビジュアルによる配信数増の手法につながったストア上でのA/Bテストについて学びましょう。

得られるもの
開発者達は、自分達のストアページを最適化することにはたいした手間もかからず、それほど難しくないということが分かるでしょう。少しだけ余分に時間をかけてトライアンドエラーを繰り返すことで、大手業者だけではなく誰でも行えることだとわかるでしょう。

対象者
ストアリスティングを改善したいと思っているいかなる人にも参考になるでしょう。しかしトップ50に入るような業者ではなく、どちらかというと小規模開発者、ロングテール狙い、新規開業者などが対象です。

ゲームデザイン
DESIGN

魅力的で没入感のアルゲームを作るためには、増えていく一方のゲームツールやシステムに対する理解と視覚化、実証、チューニングなどが必要になります。ゲームデザイナーはリアルな物理演算、表情認識、ライティング技術などを理解して利用していかなければならない一方で、同時にストーリーの見せ方、ゲームプレイの面白さ、プレイヤーの心理を理解していく必要があります。
デザイントラックでは新旧のテクノロジーの間で生まれる新たな挑戦や派生技術などを紹介していきます。

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Skill, Matchmaking, and Ranking Systems Design
スキル、マッチメーク、ランキングシステムのデザイン手法
Josh Menke (Activision Publishing)

オンラインゲームの普及とともに、高精度のマッチメークとランキングシステムが競技性のあるマルチプレイヤーゲームに求められるようになりました。本講演では以下のことを扱います:最新のスキル評価、マッチメーク、ランキング、システム間の関連付け、そしてこれからの展望。また最新のスキル評価システムに期待できるものを紹介します。スキルシステムを使っていかにマッチメークをするか、そして良いマッチメークがデザインを自由にし深みを与えるかについて話します。ランキングシステムの最良の利用法を紹介し、システムデザインで陥りがちな点を指摘します。ワールドオブウォークラフト、スタークラフト2、コールオブデューティーシリーズで得られた業界での経験を活かしてお話します。

得られるもの
参加者は最新のスキル評価システムとマッチメークから何が期待できるかをより良く理解できるでしょう。また聴衆に合わせたランキングシステムデザインの最適手法についてもお話し、それをマッチメークと連動させる手法も紹介します。ゲームプレイデザイナーはスキルとマッチメークの間にあるトレードオフの関係について理解できるでしょう。

対象者
マルチプレイヤーオンラインゲーム開発者向けです。特に競技性のあるマルチプレイヤーゲームにおけるマッチメークとランキングの基本的なコンセプトを理解している方向けです。


無駄をなくそう:TRS-80コンピュータにおけるゲームデザインの最終確認
Emptying the Trash: A Last Look at TRS-80 Game Designs
Jim McGinley (Bigpants)

1979年に発売されたTRS-80コンピューターは、酷くユニークな制限があり、いくつかの素晴らしくも忘れられたゲームが作られました。15以上の最良のゲームをとりあげ、現在のゲームメーカーにもヒントになる仕組みやアイデアを紹介します。講演者によるハイレベルなプレイビデオも上映されます。(現在生き残っている数少ないハイレベルプレイヤー達です)今回は、2012年に好評を博した”無駄からの着想”の続きであり、足りなかった最後のピースでもあります。

このゲームを見つけることはほとんどの人には無理でしょう。(YouTubeにもありません)TRS-80の特異性を語ったり、どのゲームが価値があるか議論したっり、ゲームを上達したりする代わりに、このセッションに参加しましょう。ゲームの合間に、現在みられる問題は35年前にも見られたことを考えていきます。クローン製作、続編製作、カジュアルゲーム、許諾付きゲームなどなど存在した全ての大混乱から参加者は未来に向けた着想を得られるでしょう。

得られるもの
参加者は新しいゲームの仕組み、既存のシステムの洗練法、またTRS-80で用いられた独特の技法を現在に応用する方法を学べるでしょう。まさに温故知新のセッションとなるでしょう。

対象者
経験を問わずゲームデザイナー全般、特に小規模開発(モバイル、インディー、ミニゲームなど)を行っている方。新しい仕組みや仕組みの洗練法を目的として来場している方にとってはうってつけのセッションです。ゲームデザイナーでなくても忘れ去られたゲームは楽しめるでしょうし、ゲームの詳細を知ることは後学の為になることでしょう。


ゲームのルール:独創的なデザイナーによる5つの新しいテクニック
Rules of the Game: Five More Techniques from Quite Inventive Designers
Richard Rouse III (Paranoid Productions)
Michael De Plater (Monolith Productions)
Emily Short (Independent)
Liz England (Insomniac Games)
Jason VandenBerghe (Ubisoft)
Lee Perry (Independent)

ゲームデザインにはルールブックなどというものはありません。しかしデザイナーは独自のテクニックを持っています。人気のある「ゲームのルール」セッションでは5人の有力デザイナーをお招きして、彼らがゲームデザインを行う際に重要視しているルールについてお話していただきます。スピーカーはそれぞれが用いているテクニックについて重要な点を話し、参加者がどんな点にルールを適用し、どの点に適用するべきでないかを解説します。
新しく有用なゲームデザインコンセプトについて聞いて、有名ゲームデザイナーがどのように優れたゲームを生み出しているかを学びましょう。

得られること
参加者は5つの非常に明確で実務的なベテランの考えるデザインルールについてお話します。新しいデザイン基準を参加者自身のプロジェクトで活用できるようになるでしょう。

対象者
このセッションは中堅からベテランのデザイナーで、デザイン面で新しい挑戦をしようと考えている方向けです。


アイドルについてのおしゃべり:一人遊びゲームから学べること
Idle Chatter: What We Can Learn From Self-Playing Games
Anthony Pecorella (Kongregate.com)

昨年好評だったアイドルゲームに関するお話しの続きとして、このセッションではいかにしてこのジャンルのゲームが成長し進化してきたのかを見てゆきます。ブラウザーやモバイル向けのみならずSteamでもAdVenture CapitalistやClicker HeroesなどがValveからサマーセールで発売されています。また、ソニーやマイクロソフトからそれらのゲームをコンソール向けに発売しようという動きがみられます。Kongregateプラットフォームやモバイル向けのゲームからのデータを用いて、このジャンルの新しい動きや新作ゲームなどを分析します。数字が増えていくのを眺めて盛り上がりましょう!


ファイアウォッチの世界の作り方
Making the World of Firewatch

Jane Ng (Campo Santo)

これはCampo氏がファイアウォッチを開発している際に直面したアートプロダクションの数々の挑戦についての事後報告的プレゼンテーションです。この講演では、幾つかの決定がどうしてなされたのか、どのように予期せぬ問題に対処していったのかを話していきます。Jane氏はシーンマネジメントの手法やモデリング、ストリーミング式ワールドについて説明します。ファイアワークスのアートを製作するに当たって必要になったツールの詳細についても話し、皆さんが時間と資源を有効活用出来るように助言も行います。

得られること
参加者はCampo Santo氏が誰でも利用できるUnity拡張機能を使ってストリーミング式ワールドをどのように構築したかを学べるでしょう。また机上の理想的製作プランは意味がないことを理解し、幾つかの重要な教訓を得られるでしょう。

対象者
アートプロダクションの詳細に興味がある開発者向けです。ツールの使用法や幾つかの要素がなぜ作られたのかに興味がある環境アーティストやレベルデザイナーであればこのセッションの参加してください。

PRODUCTION
プロダクション

近年ではゲーム製作は超有名タイトルとソーシャルゲームやオンラインゲーム、スマートフォン向けゲームなどの新規開発の二極化の様相を見せています。プロダクショントラックの目的は、製作規模を問わず、開発者にゲーム製作マネージメントの具体的な戦略を提供することです。

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技術指導者のマネージメント
Great Management of Technical Leads
Mike Acton (Insomniac Games)

おめでとうございます!君は指導者です。で?どうする? 一般的に今までにあなたが得た経験や培ってきた技術があなたを指導者にしましたが、ここから先は違うことをしなければなりません。(少なくとも大分違ってきます)指導者が注意しなければならないこと、自分のチームに対して責任を負うべき点、良い指導者が必ずやらなければならないこと、どうやって物事を先に進めていくか、などについて学ぶ必要があります。

得られるもの
リーダーシップを取るのは大変です。この講演では新旧問わず指導的立場にある人たちに、彼らの責任もって役割を果たす際のヒントをあたえることを目的としています。明確な展望を示すこと、チームが一番大切にすべき点の設定、問題の洗い出し、そしてチームのトレーニング内容を決定することなどについてお話しします。

対象者
最近指導的立場にたったプログラマーや知識を一新したいリーダー向け。


 

5 Mistakes by Good Teams That Produce Bad Free to Play Games
最悪なF2Pゲームを作ってしまういいチームの犯した5つの失敗
Don Daglow (4thRing Inc.)

経験を積んだ開発チームやデザイナー、プロデューサーでも最初にF2Pタイトルを開発するときには苦労をするのが普通ですが、一般的な問題を避けるのに役立つ経験から導き出せるパターンがあります。コンソールゲームを長年開発に携わってきたDon Daglow氏は直近5年は大規模、小規模をとわずF2Pゲーム開発チームのサポートをすることに多くの時間を費やしてきました。
F2Pゲーム開発に明日から役立つアイデアをあなたのチームで実践しましょう。

得られるもの
短期・長期、簡易・伝統的なF2Pゲーム開発で最初に取り組むべきことを学べます。その上、いつこういった手法を使うべきかそうでないのか、製作過程におけるチェックリストなども精査していきます。
対象者
開発者、デザイナー、プロデューサーとしてF2Pチーム開発に携わっているか、開発スキルをのばして時間とお金を節約をしたいと思っている業界の方。


 

有名タイトルの持続的な製作法:超有能で超やる気のあるチームでゲームを作ろう!
Autonomy, Mastery, Purpose – Building a Hyper-Engaged Team
Alex Mole (Criterion Games)

今までの有名タイトルの開発手法は、社員にとってダメージが大きく、品質や新規性にかけるとCriterion Games社は確信しています。2014年初頭にリーダーが変わってからCriterion社は効率を最大限高めるためにやる気のあふれたチームに多くの仕事を任せて、さまざまな決断を行ってきました。他の有名タイトル開発会社やインディー開発者からも着想を得ながら、自治、統制、目的を通じて科学的に人々のやる気を引き出してきました。
この手法を用いてCriterion社は自社開発のみならずEA社の製作チームにも参加しました。3つのプロジェクトに参加した結果、いつもわれわれが一番楽しそうに仕事をし、生産性も高かったことが分かりました。Criterion社の作ったこのシステムの裏側についてはなし、どのようなことはうまく行き、何がうまくいかなかったのかについて知っていただきます。

PROGRAMMING
プログラミング

新しいプラットフォームが出てきたり、既存のプラットフォームが進化したりすると、プログラマーはいつも新しいことに取り組んでメディアやプレイヤーの耳目を引くようなゲームと開発し続けなければなりません。プログラミングトラックではこれまで行われてきた技術的挑戦や次世代機や現行機向け開発でのさまざまなチャンス:家庭用コンソール、携帯機、競争の激しい販売環境、そして現在求められている高い生産性などについて取り上げます。

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PS4から1.44MBのフロッピーへ:レトロシティーランページをMS-DOSに移植する
From PS4 to 1.44MB Floppy: Porting Retro City Rampage to MS-DOS
Brian Provinciano (Vblank Entertainment)

レトロシティーランページをMS-DOS486に移植するのはそれ自体がパズルゲームのようなものでした。そしてこのセッションではそのプロセスを最初から最後まで紹介します。移植する際に起こるさまざまな問題は全て取り上げます。たとえばメモリー使用量の削減(4MBまで下げる)、演算効率を上げる(486で動くくらい)、アプリサイズの削減(1.44MBフロッピーに収まるくらい)そしてMS-DOSシステムへの移植(割り込み処理、グラフィック、音声、など)。また比較対象として、ニンテンドーDSやPSP向けゲームの最適化についても取り上げます。

得られるもの
現在の開発にも通じる旧世代のプラットフォームでの開発手法や最適化手法について学ぶことができます。気分転換の必要性を実感し、ただ遊ぶのではなく最初にプログラミングにあなたを導いたこと新たに学びなおしましょう。

対象者
MS-DOSやその他の旧世代プラットフォーム向け開発に興味がある方、またその際の最適化手法に興味がある方。


 

レインボーシックス シージのレンダリング
Rendering Rainbow Six | Siege
Jalal Eddine El Mansouri (Ubisoft Montreal)

レインボーシックス シージは初めて導入される新しいレンダリングエンジンを搭載しています。大規模にまたさまざまな方法で破壊できるステージを導入するにあたって、CPUとGPUおのおので処理するスケーリングをより良くするテクニックに投資することがいかに大事かを説明します。このセッションではレインボーシックスグラフィックチームが、PS4とXBOXOneだけでなく5年以上たったPCにも対応させるために行った仕事のうちもっとも興味深いものを紹介していきます。アーキテクチャの最適化により現世代機での演算を可能にしていることに注目します。また、画像の劣化を抑えつつ50%前後効率よくレンダリングする新しいチェッカーボードレンダリングテクニックも取り上げます。

得られること
一時的チェッカボードレンダリングによりクオリティを落とさずにGPU消費時間を50%削減できます。またこの技術により全画面レンダリング時のメモリ占有量も半減させることが出来ます。GPU駆動パイプラインを使うことにより拡大縮小のカウントを改善し、フレームごとに数万のオブジェクトを描画することが出来ます。

対象者
基礎についてのお話はしませんので、リアルタイムレンダリングについて高度な知識をお持ちの方が対象です。3Dプログラマ、技術指導者、テクニカルアーティストを勤めている方。


スカイランダーズ:スーパーチャージャーズにおける解像度混合レンダリング
Mixed Resolution Rendering in Skylanders: Superchargers
Padraic Hennessy (Vicarious Visions)

スカイランダーズ:スーパーチャージャーズでは多画面一括レンダリングを利用して、スカイランドの世界観を現す雲や状況に応じた環境を描画するための重いエフェクトを処理し、画面を埋め尽くしています。この講演では多様なプラットフォーム対応を可能にするために行った描画クオリティと効率の改善法についておはなしします。深度情報のダウンサンプリング、ビラテラルフィルターの重みづけ法の改良、枝分かれ処理の高効率なアンサンプルテクニックなどです。

得られるもの
オフスクリーンVFXや解像度混合レンダリングについての有用な知見を得られるでしょう。参加者のレベルに応じて幾つかのテーマからは脱線してさらに深い話しをする場合もあります。

対象者
解像度混合レンダリングを使ってみたいと思っている経験を積んだグラフィックプログラマー

 

ビジュアルアート
VISUAL ARTS

ビジュアルアートトラックは、ゲームアートやアニメーションの製作手法について、傑出したコンセプトアートのテクニックから、ポストプロダクションのベストプラクティスまで、アーティストやテクニカルアーティストを教育します。

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CSRレーシング2の環境パイプライン
The Environment Pipeline of CSR Racing 2
Scott Harber | Senior Technical Artist, NaturalMotion Games

さまざまな性能のモバイルデバイスに対応できる高品質の環境アートをどう実現するかについて実用的なお話しをします。ここではCSRレーシング2を題材として取り上げます。
同じデータを使いつつiPadAir2からiPhone4Sまでに対応する必要がありました。また同時にコンソール向け超有名タイトルと同じように見える必要もありました。技術アーティスト向けに書かれたこのお話は、われわれがどのようにそれを達成したかのお話しです。
このセッションでは実際のワークフロー、多機種対応法に迫り、環境パイプラインの開発を取り上げます。

得られるもの
モバイル端末向けレンダリングに使えるシンプルで効率的なHLSLテクニックを学べます。
また各種端末向けの拡張性の今後の展望についてもお話しします。(脆弱な機種向けの設計は結局低品質にとどまり、高機能機種向けに作ったほうが一般的に良い結果を生む)

対象者
モバイルゲーム製作に携わっている技術者。サンプルコードもお見せするのでHLSL、C#、Unityの知識があるとより良く理解できます。しかしワークフローのお話しもするのでプログラミング知識は必須ではありません。


 

ブルースアンドブレッツのアート:256の灰色のシェードを支配する
Art of Blues and Bullets: Dominating 256 Shades of Grey
Daniel Candil | Art Director, A Crowd of Monsters

あなたのゲームが3色で出来ていたらどうなるでしょうか?ダニエル氏がブルースアンドブレッツの開発時に直面した3色縛りをどのように乗り越えたかをお話しします。また、注目度ピラミッドなどのテクニックをどのように使って画像にリズムを与え、灰色でモノトーンな世界を乗り越える方法についても取り上げます。さらに、ダニエル氏はそのピラミッドがどのようにシーンデザインや色味、照明などに影響したかも紹介します。

得られること
ブルースアンドブレッツのアート製作プロセスについて知ることが出来ます。また世界をモノトーンにしないためにどうしたらいいかに関する具体的なアドバイスも得られます。(予算やチーム規模、アートの限定状況を問わず)

対象者
限定的なリソースを元にアート製作を行いたいかた全てが対象です。


アートディレクション:グラフィックデザインが鍵
Art Direction: Graphic Design is Key
Liam Wong | Graphic Design Director, Ubisoft Montreal

何事も第一印象が肝心です。現在の混沌としたゲーム市場で、力強く独特のビジュアルを持つことは非常に重要になってきています。消費者はまず外見で商品を判断するからです。このセッションではアートディレクションにおけるグラフィックデザインの重要性に注目していきます。ゲームの見た目の印象付け(見て感じられるもの)の決定プロセスを紹介し、タイポグラフィー、イコノグラフィー、ロゴ、カラーリング、グラフィックなどのデザイン要素に着目し、それらがさまざまな場面(UI&メニュー、印刷物、キーアート、モーショングラフィック)でどのように実現されているかをお話しします。

得られること
グラフィックデザインとアートディレクションの際の「デザイナー的思考」の重要性について学べます。

対象者
主にビジュアルアーティスト向けです。またゲームに特徴あるビジュアルを持たせたいと思っていてそのための知識を得たいと思っている開発者向け。特に前提となる知識はありません。


 

物理ベースのレンダリングへの包括的アプローチ
An End-to-End Approach to Physically Based Rendering
Wes McDermott (Allegorithmic)
Sam Bugden (Geomerics)

物理ベースのレンダリングはゲーム界隈にてますます普及しつつありますが、その利点の多さを考えれば驚くことでもありません。表面属性のオーサリングに関する試行錯誤を省略し、アート担当が材質を一度設定することでゲーム中で効率的に再使用できると、テクスチャリングのより創造的な(かつ楽しい)側面に割ける時間が大幅に増えます。しかし物理ベースのアプローチの利点を最大限に引き出し、あらゆる照明条件下で各材質が意図した挙動をしてくれるようにするためには、光が様々な表面とどのような相互作用を及ぼしあうかを認識したうえでオーサリングを行う必要があります。本セッションでは照明およびエネルギー保存 の原理に関するわかりやすい導入パートの後、失敗のない表面属性マップのオーサリングに関するガイドラインについて掘り下げます。また、話題にした原理を実演し、材質作成段階での判断がどのように最終的なレンダリングに影響するのかに焦点を当てます。

得られる情報:
物理ベースのワークフローを使う場合、基盤となる物理の原理を理解しておく必要があります。様々な照明条件下でも予測どおりの「物理的に正確な」結果を得るためには、材質は照明と表面の相互作用を念頭に置いたうえで適切に設定されるべきです。

想定参加者:
物理ベースのレンダリングパイプラインを使用しているか、使用を検討しているアート担当者。本セッションでは物理ベースレンダリング(physically based rendering = PBR)の背景となる原理について十分な説明を行うため、この話題に関する事前の理解は最小限ですむものの、受講者はアート担当者の典型的なワークフローを理解しているものと想定します。